初心者向け|株の分析の基本知識

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「初心者でもわかりやすい分析方法が知りたい!」

「株の売買に分析って絶対必要なの…?」

2019年6月時点、東証一部上場の企業数は2,000件以上です。この中には、数年後株価が下がり続け、上場を廃止する企業もあるかもしれません。また、逆に株価が上がる企業もあるでしょう。株価分析の方法は2つあり、銘柄選びや売買のシーンで役立ちます。株の初心者でも簡単に覚えられる分析のポイントをまとめました。

  • 株の分析手法には大きく分けてファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の2つがある
  • ファンダメンタルズ分析は財務諸表、会社四季報、株価の割安度などを用いる
  • テクニカル分析は移動平均線、ローソク足、ボリンジャーバンドなどを用いる

株の売買に必要な2つの分析手法

株価の上昇を見極める分析の方法は大きく分けてファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の2つです。

ファンダメンタルズ分析
経済状況や会社の経営状態などから分析する方法。2,000件以上ある銘柄から、どの銘柄にするのか絞り込むのに役立つ。
テクニカル分析
株の値動きを表したグラフから分析する方法。ある程度銘柄を絞った後、今買うべきかどうか、今売るべきかどうか、タイミングをはかるのに役立つ。

同じ銘柄でも、買うタイミングによって価格に差があります。高値で購入してしまうと買った後に下がり続け、何ヶ月たっても買ったときよりも低いままという事態になりかねません。底値を見極めるためにもしっかり分析しましょう。

ファンダメンタルズ分析|経済状況や会社の業績から分析

ファンダメンタルズ分析とは、経済状況や会社の業績から会社の価値を分析する方法です。もしも短期的に売買してもうけを出すのではなく、株を長く保有して配当金や株主優待を得ようと考えているのであれば、今後成長が期待できそうな株を探す必要があります。

ファンダメンタルズ分析は、今お買い得な株を見つけるために欠かせない分析です。具体的には、財務諸表、会社四季報、株価の割安度を判断する指標から総合的に行います。

財務諸表を使ったファンダメンタルズ分析

財務諸表とは、会社の財政状況や経営成績を報告するために作成した資料のことです。貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の3つの資料があります。

貸借対照表

貸借対照表は、会社がどのくらいお金をもっているか、またそのお金はどのようにして調達したのかがわかる資料です。資産と負債のバランスがわかることから、バランスシート「BS」とも呼ばれます。借金が多いのか、それとも返済の必要のない自己資金が多いのかを確認できます。また比較により、自己資金は増えているのか、借金が増えているのかといった安定性を確認できます。

貸借対照表で見るポイントはおもに以下の2つです。

  1. 流動比率=流動資産(現金など、すぐに使えるお金)÷流動負債(未払い金や短期で返済が必要なお金)
  2. 自己資本比率=自己資本(返済不要なお金)÷総資産(借金も含めた合計)

流動比率が200%以上自己資本比率が50%以上であれば、おおむね安定しているといえます。

損益計算書

損益計算書「PL」は、会社がどのくらいもうけているのかを表している書類です。株売買において損益計算書の中で注目したい項目は、売上高、営業利益、経常利益の3つです。

売上高 企業が営業活動によって得た代金の総額。人件費や材料費などコストも含まれている。
営業利益 売上高から人件費や材料費などのコストを引いたもの。
経常利益 営業利益から銀行などに払う利息を引いた残り。

キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書からは、資金の使い道(お金の流れ)がわかります。キャッシュフロー計算書には、営業活動によるキャッシュフロー、投資活動によるキャッシュフロー、財務活動によるキャッシュフローが記されています。

定義 詳細
営業活動によるキャッシュフロー 本業の営業活動による資金の流れ 材料費や人件費などの営業経費によってどのくらい利益を得ているかを示したもの。営業活動によるキャッシュフローがプラスの会社は、本業でもうかっている会社といえる。
投資活動によるキャッシュフロー 設備投資や他の企業への投資による資金の流れ。工場や土地の売却や株の購入など。 営業活動によるキャッシュフローがプラスで、投資活動によるキャッシュフローがマイナスの会社は、もうけたお金を会社のために積極的に投資している会社と見ることができる。
財務活動によるキャッシュフロー 資金の調達や返済による資金の流れ。借入金の返済や、株券の発行など。 営業活動によるキャッシュフローがマイナスで、財務活動によるキャッシュフローがプラスの会社は、借金を抱えている会社と見ることができる。

「BS」や「PL」で資金があり、利益が出ているように見えても、キャッシュフローを確認すると、営業活動(本業)ではあまりもうかっていないなどの状況が見えてくることがあります。また逆に、「BS」や「PL」で利益が出ているように見えなくても、営業活動(本業)は順調で、会社を繁栄させるための投資を積極的に行っている場合もあります。

会社四季報を使ったファンダメンタルズ分析

会社四季報
企業の特色や業績、財務内容、株の値動きなどをまとめたもの

会社四季報には、資産と負債のバランスや経常利益などの業績、キャッシュフローも記されています。財務諸表を使ったファンダメンタルズ分析は企業のIR情報の他、四季報でも確認できます。他にも、同業種での株価の順位、会社の株主についても確認しましょう。さらに、株価の割安度を判断する指標も記されています。

株価の割安度を判断する指標

株は安く買って高く売るのが基本です。お買い得株かどうかは割安度を見て判断しましょう。割安度は、1つの視点からだけではなくさまざまな視点から株価を見て割安かどうかを判断する必要があります。

指標 意味 詳細
PER 利益から割安度を確認できる指標 詳細
PBR 会社の価値から割安度を確認できる指標 詳細
ROE 経営効率から割安度を確認できる指標 詳細

テクニカル分析|売買タイミングやトレンドを分析

テクニカル分析とは、過去の株の値動きから今後の上昇や下落を予想する分析のこと。テクニカル分析を活用することにより、売買のタイミングがつかみやすくなります。テクニカル分析は、「チャート」と呼ばれるグラフを使って行います。チャートには、移動平均線、ローソク足、ボリンジャーバンドが記されています。

移動平均線の見方

移動平均線は、株の平均値の動きを記した折れ線グラフです。株価の上昇や下落などのトレンドや、株価の流れがチェックできます。移動平均線は、短期線、中期線、長期線の3種類あり、このグラフがどのような動きをしているのかそれぞれ比較することで、買いのタイミングや売りのタイミングを予想できます。

株の移動平均線の正しい見方と効果的な使い方

ローソク足の見方

ローソク足は、株の1日の値動きを表したものです。株価が上昇して終わったのか、下落して終わったのか、どのくらい値動きの幅があったのかがわかります。ローソク足を見ることで、上昇が期待できるかどうか判断できます。

株のローソク足とは?種類と見方・チャート分析の基礎を解説

ボリンジャーバンドの見方

ボリンジャーバンドは、株が上がりすぎているのか、下がりすぎているのかを見極めるためのものです。ボリンジャーバンドの形を見て、横ばい状態が長く続くのかなど今後の株の動きを予測します。

株のボリンジャーバンドを攻略すれば株価の動きがわかる!

この記事のまとめ

この記事で紹介した分析手法を必ずしなければいけないというわけではありませんが、売買を進めていくうえで迷った際にはそれぞれの手法を少し思い出してみてください。また、リスクのない売買をするには、1つの指標から判断するのではなく、さまざまな指標を組み合わせて総合的に判断することが大事です。

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