株取引に必要な手数料とは?金額・タイミング・料金プランの選び方

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「株の手数料ってどうしてかかるの?いくらかかる?」

「手数料が安い証券会社を知りたい!」

株の手数料は、売買取引の際に証券会社に払うお金ですが、払うタイミングや金額が具体的にわかりませんよね。
また、証券会社によって金額も異なり、比較するのが難しくなってきています。

株の取り引きを始める前に、手数料の料金体系や発生するタイミングを理解し自分に合った証券会社を選んでおきましょう。

  • 株の手数料は売買取引の際の手続きなどの費用
  • 株の手数料の料金体系には「約定ごとプラン」と「定額制のプラン」がある
  • 手数料に違いがないときは「取扱商品の多さ」や「アプリの使いやすさ」を比較ポイントにするとよい

株取引には手数料がかかる

株取引で手数料がかかる仕組み手数料が発生するタイミングいくらくらいかかるのかをみていきましょう。
また、どうしてネット証券会社の手数料は安いのかも説明します。

株の売買で手数料が発生する仕組み

株式の売買にはなぜ手数料がかかるのでしょうか。
通常、大手の対面証券会社ではおもに以下のような人件費をまかなうために手数料がかかります。

  • 証券会社の営業担当者が口座開設の案内をする
  • 運用のコンサルティングを行う

他にも、証券窓口がある店舗の運営費など、多くの費用を負担しなければなりません。
手数料は株式売買を円滑に行うための必要経費といえるでしょう。

株取引の手数料はいくら?

株取引の手数料は証券会社によって異なります。手数料の料金体系は2種類です。

  • 定額制のプラン:1日や1ヶ月など定められた期間内なら何回取引しても一定額
  • 約定ごとのプラン:1約定ごとの売買金額で手数料が決まる

例えば、松井証券の現物取引で採用される「ボックスレート」という料金体系は、1日定額制のプランです。

1日の約定代金合計が50万円までなら0円、50万円超~100万円までなら1000円、というふうに一定範囲なら1日に何回取引しても定額になります。

一方DMM.com証券の国内株式の現物取引の取引手数料は、1注文の約定金額に対して手数料が決まる仕組みです。

例えば約定代金が5万円以下の場合、手数料は55円(税込)となり10万円以下の場合は88円(税込)となります。

このように、証券会社によって独自の料金体系を採用していることを覚えておきましょう。

無料の証券会社があるのはなぜ?

前で例に挙げた松井証券やDMM.com証券のようなネット証券会社は、約定金額によって手数料が無料になります。

その理由は、ネット証券ではサポート料や仲介料が発生しないからです。

営業担当者などは付かず、自らリサーチして選んだ銘柄をネット上で売買するため、全てネット上で手続きが完結します。
人件費や店舗費用がかかる大手の対面型証券会社と比べると、取引時コストがかかりません。

法人や大口での取り引きで担当者のサポートを必要とする場合をのぞき、個人で売買するにはネット証券で十分です。

手数料が発生するタイミングと料金プラン

では、手数料が発生するタイミングはどうなっているのでしょうか。
手数料が投資のどのタイミングで発生するのか、売買取引を行わなくても支払わなければならないのか、みていきましょう。

買うときも売るときも片道ずつ、往復の手数料が発生する

株式取引に関する手数料は買うときと売るときの両方で生じます
したがって、1日のうちに株を買って売った場合、「約定した買い注文と「約定した売り注文」それぞれに対し手数料が発生します。

1日のうちで売買を行い利益を確定させるには往復料金が必要となることを覚えておきましょう。

注文不成立、保有してるだけでは手数料はかからない

株式を保有しているだけでは手数料はかかりません
売買注文を出していても約定しない限りは手数料は生じないので安心してください。

手数料の料金プランは選べる

先ほど説明した通り、株取引手数料の体系は約定プランと定額プランの2種類あり、どちらにするかを選ぶことができます。

約定プラン
売買が1回成立(約定)するごとに手数料が発生する。
1日の注文回数が少ない人に向いている。
定額プラン
1日のうちに約定した合計金額によって手数料が決まる。
1日の注文回数が多い人に向いている。

証券会社によって異なりますが、1日あたり3回以上の約定がある場合は定額プランを検討するといいでしょう。

また、先ほど紹介した松井証券のように、50万円以下の約定なら手数料が0円となる証券会社もあります。
1日の約定代金が50万円以下となるケースが多い場合は、定額プランが使いやすいでしょう。

手数料が安い大手ネット証券会社を一覧で比較!

まずは、おもなネット証券の手数料を一覧で見てみましょう。
一覧で見ると、証券会社によって金額が異なっていることがわかります。

この違いについては後ほど詳しく解説しますので、まずは「手数料はどのくらいの金額なのか」の目安を知りましょう。

手数料の安いネット証券会社10選

下の2つの表は、国内銘柄の現物取引の手数料を1約定ごとに決まるプラン定額制のプランで分けて示しています。

国内現物・約定(税抜)
証券会社名 10万円まで 20万円まで 30万円まで 50万円まで 100万円まで

80円 97円 180円 180円 340円

80円 97円 180円 180円 340円

88円 98円 241円 241円 436円

90円 105円 250円 250円 485円

90円 105円 250円 250円 487円

auカブコム証券のロゴ
90円 180円 250円 250円 990円

99円 200円 350円 350円 600円

100円 180円 250円 450円 1,500円(指値)

125円 180円 250円 400円 800円

約定ごとの手数料プランなし

ここからが、定額プランで国内現物取引をした場合の手数料です。

国内現物・定額(税抜)
証券会社名 10万円まで 20万円まで 30万円まで 50万円まで 100万円まで

1日定額の手数料プランなし

400円 400円 400円 400円 600円

213円 213円 278円 399円 797円

0円 0円 0円 0円 858円

0円 0円 0円 0円 762円

auカブコム証券のロゴ
1日定額の手数料プランなし

0円 0円 350円 500円 800円

2,500円 2,500円 2,500円 2,500円 2,500円

1日定額の手数料プランなし

0円 300円 300円 500円 1,000円

手数料が安い上位5位のネット証券会社の特徴

ここからは、上の表で手数料が安い上位5社の証券会社について詳しくご紹介します。
また、手数料以外の特徴についてもご紹介していますので、手数料だけでは決められないときの参考にしてみてください。

DMM.com証券

DMM.com証券のアイキャッチ画像
  • 10万円以下の現物取引手数料(約定)が最安値水準である
  • 手数料に対して1%のDMM株ポイントが付与される
  • 口座開設後1ヶ月は取引手数料が無料(※2020年4月現在)
手数料(税抜)
取引金額 5万円まで 10万円まで 20万円まで 50万円まで 100万円まで
現物約定 50円 80円 97円 180円 340円
現物定額
信用約定 80円
信用定額

DMM.com証券の手数料以外の特徴

  • 米国株式の取扱いがある
  • スマホアプリ上でかんたんモードかノーマルモードを選択できるため初心者でも使いやすい

ライブスター証券

  • 信用取引の手数料が無料
  • 10万円以下の現物取引手数料(約定)がDMM.com証券と並んで業界最安値水準
手数料(税抜)
取引金額 5万円まで 10万円まで 20万円まで 50万円まで 100万円まで
現物約定 50円 80円 97円 180円 340円
現物定額 400円 600円
信用取引 無料

ライブスター証券の手数料以外の特徴は?

  • スマホアプリでもNISA取引が可能
  • PC用WEB版トレーディングツール「livestar WEB」は投資信託を取引できる

GMOクリック証券の手数料の特徴

  • 信用定額手数料が10万円までは無料
  • 定額プランの場合50万円までは220円(税込)
手数料(税抜)
取引金額 5万円まで 10万円まで 20万円まで 50万円まで 100万円まで
現物約定 88円 98円 241円 436円
現物定額 213円 399円(※30万円までは278円) 797円
信用約定 89円 130円 170円 240円(※50万円超)
信用定額 0円 200円 400円

GMOクリック証券の手数料以外の特徴は?

  • 外国株の取扱はないが投資信託で扱っている銘柄数が多い
  • スマホアプリの種類が充実している

楽天証券の手数料の特徴

楽天証券キャプチャ
  • 国内株取引、海外株式の取引手数料の1%がポイントバックされる
  • いちにち定額プランで、1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)が50万円までは無料
手数料(税抜)
取引金額 5万円まで 10万円まで 20万円まで 50万円まで 100万円まで
現物約定 50円 90円 105円 250円 487円
現物定額 0円 858円
信用約定 90円 135円 180円 350円(※50万円超)
信用定額 0円 858円

楽天証券の手数料以外の特徴は?

  • 楽天スーパーポイントがお得に貯まり、貯まったポイントを投資に回せる
  • アプリが直観的に操作できるので初心者向け

SBI証券の手数料の特徴

  • 現物、信用いずれも定額制プラン(アクティブプラン)の場合50万円までは無料
  • 国内株式の1注文の約定代金は55円からと業界最低水準
手数料(税抜)
取引金額 5万円まで 10万円まで 20万円まで 50万円まで 100万円まで
現物約定 50円 90円 105円 250円 487円
現物定額 0円 762円
信用約定 90円 135円 180円 350円(※50万円超)
信用定額 0円 477円

SBI証券の手数料以外の特徴は?

  • 大手で、さらに口座開設数が多く、実力と安心感から初心者に人気
  • NISA枠でIPOが購入できる

ちょっと特殊?LINE証券とSBIネオモバイル証券の手数料プランに注目!

ここではちょっと特殊な料金システムを採用するLINE証券とSBIネオモバイル証券の手数料プランを見てみましょう。

LINE証券とSBIネオモバイル証券はいずれも1株から購入できます。少ない資金で始められるので初心者におすすめです。

LINE証券

取引時間帯 手数料 取引コスト(スプレッド)
日中取引9:00〜14:50
(11:20-11:30、12:20-12:30を除く)
0円 0.05%
夜間取引17:00-21:00 0円 0.5%

LINE証券では取引手数料が無料です。

手数料の代わりに取引コスト(スプレッド)がかかります。実質的な手数料と考えるといいでしょう。

いつも使っているLINEアプリ上で取り引きができるので、専用の株アプリをダウンロードする必要がなく操作が簡単なのも魅力的です。

また平日21:00まで取り引きできるので、日中忙しい人でも仕事終わりに余裕を持って取引できます。

SBIネオモバイル証券

月間の株式取引約定代金合計額 サービス利用料(税込)
0円-50万円以下 220円
50万円超-300万円以下 1,100円
300万円超-500万円以下 3,300円
500万円超-1,000万円以下 5,500円
以下、100万円ごと 1,100円加算(上限なし)

SBIネオモバイル証券の手数料は定額制で、月額220円で取引し放題です。

期間固定Tポイントを毎月200ポイントもらえます。このTポイントを投資に使える点も魅力的でしょう。

少額投資ができるスマホアプリについて、くわしくはこちらの記事へ
「初心者でもスマホで少額投資ができる!サービスが魅力のアプリ6選」

手数料が無料化!証券会社は何で選ぶ?2つの比較ポイントとは

今、ネット証券の手数料が無料化していることはご存知でしょうか?

サービス競争により、50万円以下の取引では手数料が無料の証券会社も珍しくありません。

そうなると、どの点を比較して証券会社を選べばいいのか迷う人もいるでしょう。 ここでは特に初心者の方に向け、証券会社を選ぶ際、比較すべきポイントを2つ紹介します。

手数料以外の大切なチェックポイントを押さえ、自分に合う証券会社を選びましょう。

  • 取扱商品の多さ
  • アプリの使いやすさ

取扱商品の多さ

手数料以外でチェックすべきポイントとして、まずは取扱商品の多さが挙げられます。

また取扱商品の多さに加え、買いたい商品や銘柄を取り扱っているかどうかは必ず確認すべきです。
応援したい企業があり投資を始めたはいいものの、その企業の銘柄を取り扱っていない場合もあります。

取扱商品のラインナップが豊富だと、さまざまな銘柄を知ることができ投資を始めたばかりの方でも勉強になるでしょう。

アプリの使いやすさ

証券会社を選ぶ際の比較ポイントとして、スマホアプリの使いやすさも重要です。

空いた時間でスムーズに取引をするためには、スマホアプリが簡単に操作できた方がいいですよね。
アプリが使いにくいと株の運用がおっくうになってしまうこともあるため、いつでも手軽に取引ができるかどうか、操作性は比較ポイントとして大切です。

アプリでの株取引について、くわしくはこちらの記事も参考にしてみてください。
「初心者向きの株アプリで使いやすいのは?おすすめスマホ株アプリ3選」

この記事のまとめ

株の手数料は売買取引の際の手続きなどにかかる費用です。
近年、証券会社間の競争で手数料は無料化し、比較が困難となっています。手数料以外で比較するポイントとして取扱商品の多さやアプリの使いやすさに着目し、自分に合う証券会社を選ぶとよいでしょう。

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