目次
IPOとはどんな株?意味と仕組み
まずは、IPOとは何か?について大まかに知っておきましょう。
- IPOとは
- 新規公開株(Initial Public Offeringの略)のことで、企業が初めて株式市場(証券取引所)に自社の株を公開すること
通常は、東証1部や東証マザーズといった証券取引所に“すでに上場している企業”の株しか買えませんが、IPO株投資は違います。
IPO株を購入して投資するということは、“これから上場する企業の株”を買い、上場した日に初値で株を売って利益を出すことを狙うのです。
また、IPO株の最大の特徴は
抽選に申し込み、当選しないと購入できないということです。
IPO株には購入希望者が殺到するため、その倍率はかなり高くなります。
IPO株の当選確率を上げる方法について紹介している記事
IPOの当選確率はどのくらい?当たらない理由と確率を上げる方法
IPO株の特徴(公開株との違い) | ||
---|---|---|
IPO株 | 公開株 | |
購入タイミング | 上場前 | 上場後 |
購入できる人 | 抽選で当たった人のみ | 制限なし |
値上がりの可能性 | 高い(初値が高くつく可能性が高い) | 銘柄やタイミングによる |
このように、IPOは当選さえすれば、初心者でも大きな利益を出せる可能性が高いので、まずは当選しやすい証券会社を選ぶことが重要です。
なぜ人気なの?IPO投資のメリット・デメリットは?
初心者でも失敗しにくいのがIPO投資の人気の理由ですが、反面、デメリットもあります。人気の理由と、メリット・デメリットをそれぞれ詳しく解説します。
IPO投資のメリットとは?
IPO投資は初心者でも利益を得られやすいため人気です。
IPO投資のメリット
- 初値が公開価格を上回ることが多い
- 少ない資金で投資できる
1.初値が公開価格を上回ることが多い
企業が自社株を市場に公開する目的は、一般投資家から広く資金を調達して事業を拡大することです。
新規に株を公開するということは伸び盛りの企業であることの証明であり、売り出すだけで株価が上がることが見込まれます。
つまり売り出したときの価格である公開価格より、上場して初めてつく「初値」が上回ることが多いのです。
HEROZ(ヒーローズ(4382)/2018年4月上場)の例
人工知能(AI)の開発、将棋アプリ「将棋ウォーズ」の運営会社であるHEROZでは、公開価格に対し初値が約10.9倍つきました。
- 公開価格……4,500円
- 初値……49,000円
売買単位は100株でしたから、4,500円×100株=45万円で買った人が初値で全部売ったとしたら490万円です。つまり、445万円の利益になったのです。
2.少ない資金で投資できる
IPO株は、通常の株を買うのに比べると、1株当たりの価格が低く設定されています。
ですから、市場で買うのに資金が足りなくても、IPO株なら買えるかもしれません。
抽選に申し込むだけなら資金が不要の証券会社もあります。
IPO投資のデメリット
カンタンに利益が出るように見えるIPO投資ですが、必ず儲かるわけではなくデメリットもあります。
IPO投資のデメリットとは?
- 公募割れすると損失が出る
- IPO株はそもそも当選確率が低い
IPO株は初値がもっとも高値だといわれているため、初値で売れば利益を得られるのです。
しかし、ときには初値が公開価格を下回ってしまう場合もあります。全ての銘柄で絶対というわけではありません。
初値が公開価格を上回りそうにない株の見極め方や、IPO株で損をしないための対策はこちらの記事を参考にしてください。
IPO株の売り時について紹介している記事
IPO株の売り時は?最適なタイミングとおすすめな証券会社4選
とはいえ、値上がりの可能性が高いIPO株への投資は、通常の株投資と比べてリスクは少ないので、投資初心者にもオススメです。
IPO投資を始めたい!抽選に参加するための方法
IPO投資の流れは、大まかに以下のとおりです。
- IPOに当選しやすい証券会社の口座を開設する
- 投資用の資金を用意する
- 新規に公開される銘柄情報をチェックする
- 抽選に応募する
- 当選したら購入する
IPOの始め方についての記事はこちら
初心者でも簡単?IPO株の始め方と申し込み~購入までの流れ
通常の株取引なら、口座開設後に購入したい銘柄を選んで買うだけですが、IPO株は欲しい銘柄を買えるかどうか抽選で決まります。
実際にIPO株を購入するためには、証券口座が必要不可欠ですので、まずは証券会社の口座を開設しましょう。
IPO投資では証券会社をどう選ぶ?選ぶときの3つのポイント
抽選に当たらなければ買うことができませんから、証券会社を選ぶときは当選確率が高い会社を選ぶのがポイントです。
IPO投資で証券会社の口座を選ぶときのポイントは以下の3つです。
- 主幹事実績があるかどうか
- 抽選方法が平等かどうか
- 開設口座数が多すぎない
1つずつ見ていきましょう。
1.主幹事実績があるかどうか
企業が株を市場に公開するときに、準備を中心となって行う証券会社を主幹事と呼びます。
主幹事の証券会社には販売できる株の配分が多くなるため、抽選の倍率が他の証券会社より低くなります。
2.抽選方法が平等かどうか
証券会社によって、抽選方法が異なります。完全平等抽選以外は当選確率が偏るということです。
あまり資金がない場合や、取引を頻繁にしているわけではない方は、資金量が当選確率に影響する証券会社は避けた方がよいでしょう。
抽選方法 | 内容 |
---|---|
完全平等抽選 | 特定の応募者への優遇はなく、チャンスが平等に与えられている |
ステージ制抽選 | 証券会社に支払った手数料額が多い(取引回数が多い)とステージが上がり、当選確率が優遇される |
資金量抽選 | 口座内の資金額が多ければ当選確率が優遇される |
ポイント抽選 | 抽選に外れたときにポイントがもらえ、ポイントをためると次回以降の当選確率が優遇される |
3.開設口座数が多すぎない
証券会社に開設されている口座数が多いということは、それだけライバルが多いということです。
少しでも競争率を下げるため、開設口座数が少なめの証券会社に口座をもっておいてもよいでしょう。
ただし、口座数が少ないということはIPO株を割り当てられる数も少なくなることが多いため、メインで使う口座には向きません。
IPO株の当選確率を上げる方法について紹介している記事
IPOの当選確率はどのくらい?当たらない理由と確率を上げる方法
IPOに強い証券会社3選
IPOの当選確率を少しでも上げるためには、まずは以下の3つの証券会社から選んで口座開設をすることをおすすめします。(表内数字は2018年の実績)
SBI証券
主幹事数 | ◎ 11社 |
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年間取扱銘柄数 | ◎ 86社 |
口座開設者数 | △ 約500万 |
特徴 | 主幹事実績数、取扱銘柄数が多く全上場会社のうち94.7%の銘柄を取り扱い※2019年3月通期。 また、抽選に外れても「チャレンジポイント」がもらえ、次回の抽選に使える。 |
マネックス証券
主幹事数 | △ 0社 |
---|---|
2018年間取扱銘柄数 | 〇 59社 |
口座開設者数 | 〇 約180万 |
特徴 | 機械的に選出する完全平等抽選(100%)で誰にでも当選チャンスがある! また、外国株式のIPOも抽選はできないが、初値で購入できるのも魅力 |
SMBC日興証券
主幹事数 | ◎ 20社 |
---|---|
年間取扱銘柄数 | ◎ 66社 |
口座開設者数 | △ 約340万 |
特徴 | 主幹事実績数が最も多い。IPOの取扱銘柄数は業界トップクラス |
IPOに強い証券会社について紹介している記事
IPOに強い口座は?主幹事・銘柄数が多い証券会社3選
IPO株の買い方は?購入までの事前準備と5つのステップ
口座を開いたら、いよいよ抽選に申し込みましょう。
IPO申し込み直前の2つの準備
抽選に申し込む前に準備しておくことは、以下の2つです。
1.IPO情報を調べる
新規に公開される株式は、毎月発表されます。
どの企業の株を買うのか、事前に決めておきましょう。
2.必要な資金を口座に入れる
買いたい株の価格分の資金が口座にないと抽選には当たりません。
いくらの株をどのくらい買うのか決めたうえで、必要な額を入金しておきましょう。
証券会社によっては、申込段階では入金しておかなくても抽選には関係ない場合もありますが、当たってから慌てないためにも準備しておく方がよいでしょう。
IPOの申し込みから購入までの5ステップ
抽選に申し込み、購入するまでの流れは以下のとおりです。
- 証券会社のホームページで募集開始の情報をチェックする
- ブックビルディングに参加して、参考価格の範囲で希望価格を設定する
- 証券会社の口座に資金を入れて、応募の申し込みをする
- 抽選結果を証券会社のマイページやメールで確認する
- 当選していたら購入の意思表示をする
- ブックビルディングとは
-
証券会社が、公開される株の公募価格を決めるために投資家の希望価格帯を調べるものです。
購入したい株のブックビルディング期間(BB期間)に証券会社が設定した範囲内で購入希望額を申告します。
購入までの流れは以上ですが、IPO株に当選したら忘れずに購入もしましょう。証券会社によっては当選と同時に購入となる会社もありますが、当選しただけでは購入手続きが済んでいないこともあります。せっかく当たったチャンスを逃さないためにも、よく確認して購入手続きをしましょう。
IPOに当選したら?売らないと利益にはならない
IPO株は、買っただけでは利益は出ません。買った株を買った金額より高い値段で売って初めて利益になるのです。
IPO株の売り時について紹介している記事
IPO株の売り時は?最適なタイミングとおすすめな証券会社4選
IPO株が市場に公開されると、多くの売り注文が出されるためなかなか初値がつかないかもしれません。
初値が公開価格より上回っていることを確認し、売り注文を出しましょう。
落選してしまっても、株式公開後にIPO株を初値で買う「セカンダリ投資」を狙ってみましょう。