目次
IPO株の初値買いの基本
IPO株の初値買いとは
IPO株の初値買いとは、IPO株が取引市場に売り出されて最初についた「初値(はつね)」で購入することです。
IPO株を初値で買った後、さらに値上がりしたところで売って利益を得る投資手法をセカンダリ投資といいます。
IPOの抽選に外れても、セカンダリ投資なら比較的リスクを抑えて利益を得ることができるため、初値がついた直後の銘柄を狙っている投資家は多いのです。
IPO株は抽選に当たらないと買うことができませんが、初値買いは上場している株ですから好きな銘柄を買えます。
IPO株の初値買いで利益を出す3つのコツ
IPO株の初値買いで利益を出すには、公募で買ったときとは異なるコツがあります。
初値買いで失敗しないためのコツは以下の3つです。
- 初値買いは初値騰落率に注目する
- 初値が高騰したら買うのを見送る
- 初値がついた直後は株価をよく見ておく
1.初値買いは初値騰落率に注目する
初値騰落率とは、公募価格に対して初値がいくらだったかを示した値で、(初値-公募価格)÷公募価格×100で算出します。
※公募価格が3,000円だった銘柄に初値が4,500円ついたら、1500÷3000×100=50で初値騰落率は50%となります。
初値騰落率がマイナスになっている銘柄は、公募価格より初値が低くなる公募割れを起こしている状態です。
公募割れしている銘柄はあまり人気がないと見ていい場合が多いので購入はやめておきましょう。
2.初値が高騰したら買うのを見送る
公募割れとは逆に、初値が公募価格を大きく上回り、高騰してしまう銘柄もあります。
このような銘柄は、人気はあるのでその後も値上がりする可能性があります。
しかし初値が高騰した銘柄は、公募で買えた人の売りが殺到し急激に値下がりすることが多いので購入は見送りましょう。
高騰しているかどうかは、初値が公募価格の3倍程度を目安と考えておきましょう。
3.初値がついた直後は株価をよく見ておく
IPO株は、初値がつくと急激に値上がりしその後に急落するなど、株価が乱高下しがちです。
株価が初値より下がる前に売れるようよく見ておきましょう。
初値買いのコツを押さえたら、IPO株を実際に選んで初値買いし、売って利益を出すためのタイミングを知りましょう。
IPOの初値買いの方法とポイント
IPO株を初値で買うときのポイントと、売るときのタイミングはどう見極めればよいのでしょうか。
初値の決まり方
IPO株の初値は、上場日にすぐつくわけではありません。
IPO株が上場すると、公募で買えた人がいっせいに売り注文を出します。売り出された株を狙って、買い注文もつき始めます。その売りと買いのバランスがとれたときに初値が決まります。
上場初日に初値がつかず2日目以降になることもあります。
初値で買って売る
初値で買うときのタイミングと銘柄選びのポイント
IPO株の初値買いの基本は、上昇トレンドに乗って順張りで買うことです。
ただし初値がついたIPO株の値動きは激しいので、株価から目を離さずいつ売るかを意識して買うことが重要です。
では、初値買いをするならどのような銘柄がよいのでしょうか。
IPO株の初値買いは、初値より値上がりしそうな銘柄を見極めるのがポイントです。
見極めのポイントは、人気銘柄かつ公募価格の2倍程度の初値がついていることです。
人気銘柄かどうかは、公募価格が仮条件のどのあたりで決定しているかで見極めます。公募価格が仮条件の下限で決定している場合は、人気銘柄とはいえません。
反対に、公募価格が仮条件の上限で決定している場合は、人気銘柄になる可能性が高いといえます。
初値が公募価格を大きく上回ってしまうと、売り注文が殺到してしまうため、株価が急落してしまいます。初値買いで買うなら、人気が持続する可能性が高い公募価格の2倍程度になった銘柄がよいでしょう。
初値買い注文のポイント
初値がつく前は指値注文しかできません。そのため、初値がついても指値で買えません。
市場をチェックして、上場日に初値がついたらその価格で成行注文を出します。
上場日に初値がつかない場合、初値買いは翌営業日に持ち越しましょう。
初値で買った株を売るタイミングは?
初値がついた株を買うことができたら、さらに株価が上昇したタイミングで売り、利益を出します。
初値がついたら、株価をよく見ておくことが重要です。IPO株は値動きが激しく、翌日には初値を下回ってしまうこともよくあります。
上昇トレンドが落ち着いてこれ以上は上がらなさそうなポイントですぐに売り抜けましょう。
人気の銘柄を買った場合は、ロックアップ規制に注意する必要があります。
- ロックアップ規制とは
- 公開前の株式を保有しているベンチャーキャピタルやその会社の創業者などの株主にかけられた規制です。株主は、目論見書に書かれている条件(公募価格を1.5倍以上上回るか90日経過するまで、など)がクリアされるまで、もっている株を売れません。
ロックアップ規制が解除されると、売り圧力が強まり株価が下落する傾向にあります。各銘柄の目論見書をよく読み、ロックアップ規制解除の条件を確認しておきましょう。
初値買いで買った株を売るときの注意点
IPO株の初値買いで忘れてはいけないのが、株価の上昇が落ち着いてきたら待たずに売るいうことです。
もう少し上がるかも…と思っていたらどんどん下がって初値を下回ってしまって損をすることになってしまいます。
初値買いの成功例・失敗例
過去の実例から初値買いで成功できたかどうかを見てみましょう。
成功事例~(株)ファイバーゲートの場合~
上場日:2018年3月23日
公募価格:1,050円 初値:2,388円 初値騰落率:127%
初値が2,388円でしたので、公募価格で買えた人が初値で売ったとすると、利益は1株当たり1,338円で、初値騰落率は127%でした。
初値がついた後も上がり、上場後10日ほどで3,365円まで上がりました。初値買いをした人が最高値で売ったとすると1株当たり977円の利益でしたので、セカンダリ投資としては成功でしょう。
失敗事例~HEROZ(株)の場合~
上場日:2018年4月20日
公募価格:4,500円 初値:49,000円 初値騰落率:989%
初値が公募価格を10倍以上上回り、公募価格で買えた人の利益は1株当たり44,500円にのぼりました。
しかし、HEROZの株価は初値がついた直後からいったん49,650円まで上昇したもののどんどん下がり続け、初値を上回る高値はいまだについていません。(2018年5月時点)
このような株を初値買いしてしまうと、売るタイミングがなく損切りできず塩漬けにするしかなくなってしまいます。
IPOのセカンダリ投資は、うまくいけば公募買いほどではないですが利益を出すことができます。
ただ、成功させるためには株価の動向を見る時間やテクニックが必要になります。
セカンダリ投資で大きく利益を出すことに挑戦するよりは、まずは抽選に当たって公募で買うことを目指しましょう。
IPO投資で選ぶ証券会社
利益を出すのに難易度の高いセカンダリ投資は、どうしても諦められないIPO株であればよいでしょう。しかし、まずはIPO投資の当選確率を高めるために証券会社で口座開設をして、抽選に当たることを目指しましょう。
SBI証券
ポイント
- 抽選対象の株数が多い
- 抽選で「チャレンジポイント」が使える
- 取引ツール「HYPER SBI」でリアルタイムの株価が見られて値動きを見逃さずすばやく注文できる
※「チャレンジポイント」:IPOの抽選に外れたときにもらえるポイントで、ためた分のポイント数に応じて当選確率が上がる
マネックス証券
ポイント
- 抽選が完全平等抽選
- IPO取扱件数が多い
マネックス証券は、IPOの抽選方法が完全平等抽選で、IPO取扱件数が多めなので、当選のチャンスの高い証券会社です。
IPOの当選確率を上げるためには、こちらの記事も参考にしてください。
IPOの当選確率はどのくらい?当たらない理由と確率を上げる方法