株の移動平均線の正しい見方と効果的な使い方

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「移動平均線の見方がわからない…」

「移動平均線を使って株の売買のタイミングをつかめるようになりたい!」

株取引の世界には売買のタイミングを見極めるために便利な指標がいくつかありますが、まずはじめに知っておきたい最もポピュラーな指標である移動平均線についてご説明します。

この機会に移動平均線を学んで、売買のタイミングを見極められる上級者への一歩を踏み出してみましょう。

  • 移動平均線とは株価の大まかなトレンドを示したグラフ
  • 移動平均線の動きで買いと売りのタイミングが計れる
  • シグナルのパターンを覚えれば移動平均線を使いこなせる

株の移動平均線とは

移動平均線とは、一定期間の株価の平均値を計算し、その結果を線で結んで大まかな株価トレンドを示したグラフです。
平均値は毎日変化するため「移動平均線」と呼ばれているのです。

アメリカのジョセフ・グランビルによって発案された手法で、テクニカル分析の指標として最もメジャーなものです。
後ほど、このグランビル氏が提唱した「グランビルの法則」という法則を紹介します。

移動平均線には3つの種類があります。

移動平均線の種類

  • 単純移動平均線
  • 荷重移動平均線
  • 指数平滑移動平均線

通常、移動平均線というときは「単純移動平均線」のことを指しますので、初心者の方はそれだけ覚えておきましょう。

それぞれの違いは、期間における計算式の違いです。
単純移動平均線は一定期間の終値の平均値を単純につないだものであるのに対し、荷重移動平均線、指数平滑移動平均線は単純移動平均線より直近の価格に重点を置く計算式によって表したものなので、用途が限られています。

移動平均線を読み取れるようになると、株価の傾向やトレンドなど多くのことががわかるようになるのです。実際に多くの投資家が、移動平均線の動きに合わせて株価の売買を行っています。

移動平均線は各証券会社が提供するツール上で簡単に確認することができ、2本もしくは3本の線によって構成されています。 移動平均線

上の画像のように、短期線と中期線、長期線の3本の場合と、短期線と長期線2本の場合があります。
5日~25日程度の短い期間の平均値を表した短期線、13週~26週程度の期間の平均を表した中期線、52週程度の長い期間の平均を表した長期線です。

期間は好きな期間に設定することができ、本数も選べます。

株の移動平均線でわかるサイン

それでは、移動平均線で具体的にどのようなことがわかるのかを解説していきます。

移動平均線は簡単にいうと、その形の特徴から株価のトレンドを知ることができるのです。

移動平均線を見るときはまず、

  • 移動平均線がどこへ向かっているのか
  • 移動平均線と現在の株価との位置関係

に着目します。

移動平均線の向きが上に上がっているときは上昇トレンド、反対に下がっているときは下降トレンド、そして上にも下にも向かっていないときは横ばいトレンドといいます。
さらに、移動平均線と現在の株価との位置関係からトレンドが変わるシグナルを察知することができます。

トレンドが変わるタイミングを見逃さないために、移動平均線の形でわかる基本的なシグナルを押さえておきましょう。

上昇トレンドに転換するときの移動平均線の特徴

  • 移動平均線が上を向いている
  • 株価が移動平均線よりも上にある
  • 上から、株価、短期線、長期線の順に並ぶ

上の図にあるように、一気にトレンドが上向きに転換していくときには、「ゴールデンクロス」という現象が起こります。
ゴールデンクロスとは、株価の上昇を期間の短い平均線から追いかけるように、短期線、中期線、長期線の順番で上がっていくことです。「ゴールデンクロスは買いサイン」と言われています。

下降トレンドに転換するときの移動平均線の特徴

  • 移動平均線が下を向いている
  • 株価が移動平均線よりも下にある
  • 上から、株価、長期線、短期線の順で並ぶ

下降トレンドの場合も短期線から動いていきます。短期線が長期線を下抜けることを「デッドクロス」と言い、「デッドクロスは売りサイン」と言われています。

ポイントなのは、これらのサインが現れてから売買の判断をするのではなく、サインが現れそうな状況を予測して売買するということです。なぜなら、これらが現れたときにはすでに株価の動きが変わっているケースがあるためです。

シグナルの応用編:グランビルの法則

グランビルの法則とは移動平均線を使った売買方法の生みの親であるジョセフ・グランビルが考案した買いと売りのタイミングを示す8つのパターンのことです。
これは移動平均線の形だけでなく、株価を表すローソク足と移動平均線の位置によって売買のタイミングを見るものです。

移動平均線のほかにも「ローソク足」という指標が出てくるので、先にローソク足のことを学んでおきたいという方は下記の記事に詳しく書いてあります。

ローソク足がどんなものかわかる方は、先に進みましょう。まずは「買いシグナル」が表れる移動平均線の動きです。

欲しい銘柄を見つけるとすぐ買いたくなりがちですが、焦らずにいいタイミングを見極めましょう。
しっかり業績を伸ばしている銘柄であれば、余程のことがない限り急に流れが変わることはありません。

シグナル 動き わかること
買いシグナル1 移動平均線が横ばいもしくは上昇中でローソク足が上抜け 下降傾向にあった株価のトレンドが、横ばい・上昇に変わり、ローソク足が明確に移動平均線を上抜けた形
株価のトレンドが変わったことを示し、買いのタイミング。
買いシグナル2 移動平均線が上昇中でローソク足が下抜け 上昇トレンドの中で株価だけが一時的に下がった形
移動平均線が上昇中であればこの下落は一時的なもので、再上昇するという考え方。
この形は一般的には押し目といわれ、このタイミングで買うことを押し目買いという。
買いシグナル3 移動平均線が上昇中でローソク足が下抜けせず再上昇 買いシグナル2と同様に、押し目といわれるタイミング。
買いシグナル4 移動平均線が下降中でローソク足が下に大きく乖離 下降傾向にあった株価がさらに売り込まれ、移動平均線とローソク足が下に大きく乖離する形。ローソク足は移動平均線の方向に向かう傾向があることから、短期的にはこれ以上売られることはない、つまり買いのタイミング。
※乖離とは移動平均線とローソク足が離れることを差し、大きければ大きいほどその投資家の心理が反映されていると考えられる。

次に、売りシグナルも4つ見ていきましょう。
株取引においては、買うよりも売る方が難しいといわれます。タイミングを逃さないためにも、よく読んでおきましょう。

シグナル 動き わかること
売りシグナル1 移動平均線が横ばいもしくは下降中でローソク足が上抜け 上昇傾向にあった株価のトレンドが、横ばい・下降に変わり、ローソク足が明確に移動平均線を下抜けた形。下降傾向にトレンドが変わったことを示し、売りのタイミング。
売りシグナル2 移動平均線が下降中でローソク足が上抜け 下降傾向にある中で株価だけが一時的に上がった形。移動平均線が下降中であれば、この上昇は一時的なもので、再下降するという考え方。
売りシグナル3 移動平均線が下降中でローソク足が上抜けせず再下降 売りシグナル2と同様に、一時的に買われたものの、売り傾向が強くトレンド転換には至らなかったことを示す。
売りシグナル4 移動平均線が上昇中でローソク足が上に大きく乖離 上昇傾向にあった株価がさらに買われ、移動平均線とローソク足が下に大きく乖離する形
ローソク足は移動平均線の方向に向かう傾向があることから、短期的には株価が買われすぎている、つまり売りのタイミング。

これらが「グランビルの法則」と呼ばれるシグナルです。
これを読んで頭ではわかっていても、実際にチャートを前にするとこの先どう動くかわからなくなるものです。
過去のチャートをこの法則に当てはめてみるなどして、実感しながら体で覚えていくのがよいでしょう。

投資スタイル別移動平均線の使いこなし方

それでは実際に移動平均線を使って売買のタイミングを計ってみましょう。
ここからは、投資スタイルによって変わる移動平均線の使い方です。

デイトレードで使いこなす

1日のうちに株を何度も売り買いすることをデイトレードといいます。
参考にする移動平均線は5分や25分足です。

デイトレードの場合は、移動平均線が現在の株価の上にあるか下にあるかの位置を読みます。
株価が移動平均線より下にあるということは移動平均線で上値を抑えられていることを意味します。
一方、上にあれば上値が軽く値が上がりやすくなることがわかります。

短期間で移動平均線の動きを読むのは難しいため、デイトレードは上級者向けの売買方法です。

スイングトレードで使いこなす

株を数週間単位で売り買いすることをスイングトレードといいます。
スイングトレードは、順張りのトレンドフォロー型の投資スタイルが基本です。上手くトレンドに乗ることができれば効率よく利益を増やすことができます。
一番わかりやすく狙いやすい売買のタイミングは、移動平均線にトレンドが出ている銘柄の押し目を狙うことです。

決算時期など大きく株価が変動する時期を外しておくとよりリスクを減らせるでしょう。

長期投資で使いこなす

株を月や年単位など長期で売買することを長期投資といいます。
スイングトレードと同様に押し目のタイミングを狙うほか、下降から上昇、上昇から下降に転じるなどトレンドが変わるタイミングをじっくり狙うのも手です。

底値で拾えると、多少の株価の上がり下がりを気にすることなく、より長く保有を続けることができます。

気をつけたいのは、長期で買った銘柄を少し売られたからと不安になりすぐに手放してしまうことです。
指標の読み方を理解していれば、短期の売買に動揺せずにいられます。株はメンタルの勝負です。

毎日板に張り付かなくても、時間を味方につけて大きな利益を狙えるのが長期投資のメリットです。今回お伝えした指標の読み方を覚えるだけでも成績は大きく変わってきますよ。

この記事のまとめ

移動平均線は株価の動きを平均化して大まかなトレンドを示したものです。本格的な分析に入る前に理解しておきましょう。また、移動平均線の向き、株価と移動平均線の位置関係などから投資家の心理を読み取り、自分なりに予測してみるのも面白いかもしれません。

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