目次
株取引の基本的な流れ
株取引はハードルが高いと思われていますが、実際はシンプルな手続きで取り引きを始められます。
- 証券口座を開設してお金を預ける
- 購入したい株を選び、買い注文を依頼
- 購入した株を保有 or 売り注文を依頼
大まかに分けると、基本的にこの3ステップで株取引は完了となります。
ステップ | 具体的にすること |
---|---|
1.証券口座を開設してお金を預ける | 株取引の注意点を押さえて証券口座を開設する →株の始め方について読む |
2.購入したい株を選び、買い注文を依頼 | 株取引の注文方法を選択する →株取引の仕組みと方法について読む |
3.購入した株を保有or売り注文を依頼 | 売買後に必要となる税金や納税方法を確認 →株取引に関わる、税金について読む |
ここからは上記のステップに沿って解説していきますが、途中のステップから読みたい方は、表の中のリンクから読むことができます。
株取引の始め方
投資初心者の方が株取引を始めようとする際に、まずつまずきやすいのが証券会社の選定です。
国内には30社以上の証券会社が存在するため、自分に適した証券会社を探すだけでも一苦労です。
また、初心者が何も考えずにいきなり株を買ってしまうのは失敗のモトです。
これから株を始めるために必要な証券口座の開設と、株取引を始める前に知っておきたい注意点をあわせて解説します。
株取引を始める証券会社選び
まず初めに、証券会社とは、株の売り買いを可能としてくれる会社です。
国内の証券会社は、大きく分けて「店舗型」と「ネット型」の2種類に分類できます。
「店舗型」は実店舗をもち、顧客ごとに営業員の担当がつきます。大手では野村證券や大和証券などが有名です。
「ネット型」は実店舗をもたず、インターネット経由で売買が可能となります。
実店舗をもたず、営業担当がいないため必要経費を安く抑えることができ、店舗型と比べて手数料が安いのが大きな特徴です。
手数料が安くインターネット経由で簡単に口座開設が可能なネット証券会社では、SBI証券や楽天証券、マネックス証券などが有名です。
株取引の注意点
株の初心者が初めての株取引で注意すべき最低限のことを簡単に押さえておきましょう。
- 長期投資をすること
- 安定株を選ぶこと
1の長期投資をすることが大事な理由としては、株価は短期間で上下することはあるけれど、長期的には上昇しているという事実があります。
世界全体で見ると、人口増加に伴う市場・消費の拡大により成長を続けているからです。
市場や消費が拡大すれば経済も拡大するため、結果として、株式市場も長期的に上昇し続けているのです。
つまり、株式市場全体で見れば長期間投資をすれば、株価上昇の恩恵を受けることができるのです。
また、長期で上昇する株の多くはビジネスモデル、財務基盤が安定した会社ということもいえます。
また、2の安定株を選ぶことが大事な理由は、株は売買で利益を得る以外にも保有しているだけで配当金と呼ばれる現金や株主優待をもらうことができるからです。
こうした目的のために、一度買った株を売らずにずっと保有しておくことでも、株取引のメリットを得ることが可能です。
失敗しない株取引のために読んでおきたい記事
株初心者にありがちな株式投資の失敗例と大損しないコツ
株取引の仕組みと方法
株を始める準備が整ったら、いよいよ注文です。
株の注文方法は初めての方にはあまりなじみがないですが、なるべくわかりやすく説明していきます。
株で利益を得る仕組み
まずは株で利益が出る仕組みについて簡単に押さえておきましょう。
株取引で得られる利益は「売買益」と「配当金」の2つに分けられます。
- 売買益
- 購入したときの値段より高い値段で株を売却できたときに生じる差額分
例えば100円で買ったものが120円で売れたら20円の儲けが出ます。これが売買益です。売買益には、購入したときより値下がりするリスクがあります。
- 配当金
- 所有している株式数に応じて企業が株主に利益を還元する仕組み
「配当金」は実施していない企業もあります。また、配当金を受け取るには決められた日に株式を所有している必要があるので注意しましょう。
現物取引・信用取引とは
注文する前には、株の取引方法を選ぶ必要があります。
株の取引方法には「現物取引」と「信用取引」の2つがあります。
- 現物取引
- 取引口座に入金した金額で行う取り引き
- 信用取引
- 入金した金額を担保に約3.3倍の額まで取り引きできる
現物取引は、自分のもっているお金での株購入や、保有する株の売却取引のことです。
一方、信用取引は証券会社からお金を借りての株購入や、証券会社から株を借りての売却取引です。つまり信用取引は、借金をしての取り引きということです。
例えば取引口座に100万円ある場合、現物取引だと100万円内でしか取り引きができませんが、信用取引だと約330万円まで取り引きができます。
現物取引に比べると、より多くの金額を投資できる信用取引の方が利益が多くなります。
利益が多くなるなら利用したくなる信用取引ですが、利益を多く得られるということは、損失も多くなるリスクが高まるということです。
ニュースなどで報道される株で破産したケースの多くは信用取引の失敗によるものです。ですから、まだ取り引きに不慣れな初心者の方に信用取引はおすすめしません。
成行注文・指値注文とは
株の注文方法には『成行注文』と『指値注文』の2種類が存在します。
- 指値注文
- 指定した株価で株式を売買する方法
- 成行注文
- 株価を指定せずに株式を売買する方法
成行注文は、現在の値段で株を売買する注文方法です。
一方、指値注文は、自分の選んだ価格に株価が変動した際に売買する注文方法です。
指値注文は指定した金額にならないと取り引きが成立しないので、欲しかった株が買えないこともあります。
例えば現在100円の株があるとして、即座に購入する方法が成行注文で、価格が95円まで値下がると予測し95円になったら購入する予約をしておく方法が指値注文です。
注文方法 | 買い | 売り |
---|---|---|
指値 | 指定した金額を上回る株価になったら購入が成立する | 指定した金額を下回る株価になったら売却が成立する |
成行 | 株価にかかわらず注文した時点でのもっとも低い売り注文価格で購入が成立する | 株価にかかわらず注文した時点でのもっとも高い買い注文価格で売却が成立する |
株の注文方法をもっと詳しく学べる記事はこちら
指値と成行の違いは?株の注文方法を解説
株取引ができるのはいつか
株の注文方法を理解できたら、いよいよ実際の注文になります。
注文を出すにあたり、注文可能な日時と、注文するうえでの注意点をまとめて解説します。
株取引ができる日
株取引ができるのは、証券取引所が営業している平日です。土曜、日曜、祝日は対象外となります。
そのため、年末年始の休業日、ゴールデンウィークなどの祝日は取り引きができないので注意してください。
平日のみしか営業していないのでは、働いている方は取り引きができないと思うかもしれませんが、そこで先ほどのネット証券が役に立ちます。
ネット証券ならば、基本的に24時間いつでも注文の予約が可能です。注文の有効期限や条件(指値注文など)も選択可能で非常に自由度が高いため、当日中に価格が10円下落したら購入、今週中に価格が50円上昇したら売却など、さまざまな注文が可能となっています。
ただし、ネット証券はメンテナンスなどで予約注文を受け付けていない時間帯もあるので、証券会社からの通知には注意してください。
株取引ができる時間
株取引ができる時間は9:00~11:30の前場(ぜんば)と、12:30~15:00の後場(ごば)となっています。p>
日中に仕事をされている方は、お昼休みなどに取り引きすることはできても、勤務時間中にリアルタイムで取り引きすることは難しいでしょう。
ですが、予約注文を使えば日中働いている方でも株の売買ができます。
なお、上級者向けの話となりますが、ここで紹介している取引時間は、東京証券取引所の時間です。国内にはPTS(私設取引システム)という他の取引所も存在しており、そちらは、より広い時間帯で取引可能となっています。例えばSBI証券のPTSでは、8:20~16:00、17:00~23:59と、仕事後でもリアルタイムで株価を確認しつつ取り引きができます。
ただし、東京証券取引所と比べて取引可能な銘柄が限られる点は注意が必要です。
株の取引時間についてもっと詳しくわかる記事
株取引ができる時間と時間外でも注文する方法とは?
株取引に関わる税金とは
ここまでで注文が完了となりました。最後に、株取引後に注意すべき税金についてご説明いたします。
株の利益にかかる税金とは
株を売却して得た利益や、配当金には「上場株式等に係る譲渡所得等の金額」という税金を支払う必要があります。
2019年11月現在の税率は20.315%ですから、例えば100万円の利益が出た場合、203,150円を税金として納める必要があります。
課税対象となるのは売却した株の利益のため、株を保有しているだけなら税金はかかりません。
しかし、利益が出ても税金の支払いが不要、あるいは確定申告が不要となるケースが3つ存在します。
- 株式の年間の利益が20万円以下
- 株式の年間利益と配当利益の損益がマイナス
- NISA口座を利用している
1は、株による利益が年間20万円以下の場合です。このケースでは確定申告が不要となります。
2は「損益通算」と呼ばれる制度で、株式の収支と配当金の利益を通算して計算し、年間の収支がマイナスとなる場合です。
例えば株式の売却と配当金で30万円利益が出たとしても、別の売却で10万円以上損失が出ていれば年間の利益が20万円以下となり、確定申告が不要です。
株の税金について詳しくわかる記事
株の利益にかかる税金とは?確定申告の方法を口座種類別に解説
株の損益通算とは?繰越控除で税金を正しく納めるための知識
3は「NISA」を利用している場合です。NISAは「少額投資非課税制度」という名の税控除制度で、年間120万円までの投資金額で得た利益が非課税となります。
個人投資家にとって使い勝手の良い制度ですが、NISA口座で発生した損失は、先に述べた「損益通算」に反映されない仕組みであることは、注意点として覚えておいてください。
税金を納めるために必要な確定申告
ここまで株取引で利益が出ても税金の支払いが不要な場合を紹介しました。
反対に、税金の支払いが必要なケースは以下のとおりです。
- 年間20万円を超える利益が出ている
- 「申告分離課税」で利益が出ている
- NISA口座を利用していない
この3ケースに当てはまる場合は、税金を支払う必要があります。
確定申告のことが詳しくわかる記事
株の利益にかかる税金とは?確定申告の方法を口座種類別に解説
株の利益に対する税金は、確定申告によって支払います。税務署などで確定申告書を入手し、必要事項を記入した後、各種証明書や本人証明書と一緒に提出しなければなりません。
書類提出後は、コンビニ納付・e-Taxでの電子納税・振替納税・クレジットカード納付・窓口納付など、都合の良い方法で納税してください。
上記のような確定申告は投資初心者にはハードルが高いため、証券口座には「源泉徴収ありの特定口座」という口座があります。
これは証券会社が個人に代わって納税する制度で、確定申告が不要となります。口座開設の際に選択可能で、多くの個人投資家が利用しています。
株取引に使う証券会社3選
口座開設手続きは、複雑さと専門用語の難しさから、投資初心者が株取引を断念する最初のポイントです。
ネット証券の中でも特に口座開設の手続きがスムーズでわかりやすく、ストレスなく取り引きを始めやすい証券会社3社をご紹介します。
SBI証券
SBI証券は、国内最大級のネット証券会社です。安い手数料、使いやすい操作性、豊富な商品ラインアップで人気を集め、ネット証券会社の中でも最多口座数(上位ネット証券5社比較。2019年6月末現在。各社公表資料等より。SBI証券調べ)を保有しています。
楽天証券
楽天証券は、楽天のグループ会社です。楽天証券の最大の特徴は、クレジットカードを利用して購入できる点です。
例えば楽天カードで100万円投資した場合、1万円分の楽天ポイントが付与されるので、これだけで1万円分の利益を得ているのと同じことになります。
マネックス証券
マネックス証券は、商品・サービスが充実したネット証券です。他社に比べて多くの米国株を扱っているため、将来投資の幅を広げる際には非常に有効です。