指値と成行の違いは?株の注文方法を解説

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「指値注文と成行注文の違いが理解できない…」

「具体的にどうやって注文したらいいの?」

株式の売買において注文をするときには「指値注文」と「成行注文」のいずれかを選択する必要がありますが、どちらがどういう注文方法なのかわからないまま注文するのは不安ですよね。「指値注文」と「成行注文」は、それぞれの意味をきちんと理解すれば簡単に使い分けられます。

この記事では、株の注文方法と指値、成行の違いをわかりやすく解説していきます。

  • 指値注文は指定した株価になったら株式を売買する方法
  • 成行注文はいくらでもいいから買いたい(売りたい)場合に株価を指定せずに売買する方法
  • 購入時は成行、売却時は指値を選択することで失敗を少なくできる

株の注文方法と注文時に決めるべき4つのこと

まず、株式を注文する際、どのようなことを考えなければならないのでしょうか。
注文を出すときには、以下の4つのことを決めておく必要があります。

  • 銘柄…どの会社の株を買うか
  • 株数…何株買うか
  • 期限…注文の有効期限
  • 希望価格(指値、成行)…いくらで売買するか

中でも特に重要なのは、「株をいくらで売買するか」ということです。株は安く買って高く売るほど多くの利益を得ることができます。

より多くの利益を得るため使い分けたいのが、「指値」と「成行」という2種類の注文方法です。

注文方法 買い 売り
指値 指定した金額を下回る株価になったら購入が成立する 指定した金額を上回る株価になったら売却が成立する
成行 株価に関わらず注文した時点でのもっとも低い売り注文価格で購入が成立する 株価に関わらず注文した時点でのもっとも高い買い注文価格で売却が成立する

指値と成行について、具体的な内容やどういったメリット・デメリットがあるのかを詳しく確認していきましょう。

指値・成行注文の違いとメリットや注意点

注文方法 買い 売り
指値 指定した金額を下回る株価になったら購入が成立する 指定した金額を上回る株価になったら売却が成立する
成行 株価に関わらず注文した時点でのもっとも低い売り注文価格で購入が成立する 株価に関わらず注文した時点でのもっとも高い買い注文価格で売却が成立する

指値注文とは?メリットと注意点

指値注文とは、自分で希望する株価を指定して売買の注文を出す方法です。
自分で購入価格を指定することができるため、指定した株価にならなかった場合には注文が成立しません。

そのため、想定外の株価で売買をしてしまうリスクを回避することができます。売買の結果を比較的予想しやすい方法といえるでしょう。

しかし、指定した株価になるまでは売買が成立しないため、売買のチャンスを逃してしまう可能性があることには注意が必要です。

例えば、500円で買った株式を売るとき、510円での売り注文を指値で出したとします。
このとき、株価が480円…450円というように下落し続けるといつまでも注文が成立せず、損失が膨らみ続ける可能性があります。

このようなリスクを回避するためにも、当日限りの注文とするか、注文の有効期限を指定するなど執行条件をあらかじめ決めておくといいでしょう。

成行注文とは?メリットと注意点

成行注文とは、値段を指定せずに株式の売買を注文する方法です。
市場の株価に応じて注文が即座に成立するため、取引を確実に実行できる点がメリットとなります。

しかし市場の株価に連動する取引方法のため、想定外の株価で注文が成立してしまうリスクには注意が必要です。

例えば、株式の取引量が少なく、1回の売買によって株価が大きく変動するような銘柄があるとします。
注文時点では株価が500円だったのに取引が成立した時点では50円程度株価が変動してしまう、ということが起こりえます。

逆指値注文とは何か

逆指値注文とは指定していた金額より高くなったら「買い」、安くなったら「売る」注文方法です。例えば株価500円のものが450円まで下がったら売る、といったことが指定できます。あらかじめ損切りのラインを決めておけるので、上手に使えばふたを開けてみると思ったより株価が下がり、損失が膨らんでいた、ということが防げます。 

売りたいときに株を売る方法

株式取引をする際には、株式を安く買って高く売ることがセオリーです。このセオリーに従って実際に取引を行う方法を紹介します。

買い注文と同時に売りの指値(逆指値)注文をいれる方法

買った銘柄の利益をすぐに確定させたいとき、買ったと同時に売り注文もいれたいと思いませんか?これはリバース注文(Uターン注文)と呼ばれる方法を使えば可能です。

例えば「50円値上がりしたら売る」というふうに、買い注文が約定したときの値段から売り注文を出す差額を指定できるので、会社にお勤めの方など日中あまり株価をチェックできない方に向いています。

売り注文の際に指値注文と逆指値注文を同時にいれる方法

購入した株価が、上がるか下がるかわからないときに使えるのがOCO注文(ツイン指値注文)です。この後の値動きがわからない、上がれば利益にしたいけれど下がれば早めに損切りしたいといったときに2つの注文を同時にいれるのです。

例えば500円で購入した株式に対し、「550円になったら売る(指値注文)」、「450円になったら売る(逆指値注文)」といったふうに使います。

寄り付きの値段でどうしても買いたいときの注文方法

寄り付きの値段でどうしても買いたい場合は、寄り付きである9時より前に、執行条件に「寄り付き」を加え、9時より早いタイミングで「成行」の指示を出すとよいでしょう。ただし寄り付きのタイミング直前で大口の買いが入ることは多々あり、想定よりはるかに高い値段で買うことになる場合もあるので注意が必要です。

引けの値段でどうしても買いたいときの注文方法

「今日中に現金化したい」「明日に持ち越したくない」など今日中に売ってしまいたいと考えるときもあると思います。そんなときは引けより前に執行条件に「引け」を加え、「成行」の指示を出しましょう。この場合も引けの直前に大口の売りが入ることもあるので、注意しましょう。

その日中にどうしても株の売買を完結したいときの注文方法

その日中にとにかく利益を確定させたい場合は指成注文があります。これは引けまでは指値で注文をいれておきながら、引けまで約定しなかった場合、自動的に成行に切り替わる注文方法です。こちらも引けと同様に最後に大きく株価が変動するリスクがあるので注意しましょう。

証券会社名 成行・指値・逆指値注文 特殊注文 執行条件付き注文
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SBI証券
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追跡指値注文
マネックス証券
auカブコム証券
Uターン注文

W指値
岡三オンライン証券
IFDONE注文
ライブスター証券
IFDO注文
SMBC日興証券 × ×
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この記事のまとめ

指値注文、成行注文のメリットや注意点を理解したうえで、まずは一通りの注文ができるようになることを目指してみましょう。

取引に慣れてきたら、逆指値注文も活用して、リスクを最小限に抑えながら高い利益が出るように取引を行いましょう。

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