株価が変動する理由とは?売買のタイミングに見極めるコツを紹介

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株価は「株式の需給」をもとに変動しています。

株式の需給とは、株式を買いたい人と売りたい人のバランスです。

基本的に、株式を買いたい人が多ければ株価は上がり、売りたい人が多ければ下がります。

株式の需給を決める要因のうち、大きな影響力を持つ指標が企業業績です。

好調な業績が続いており、将来性が期待される会社の株式であれば、多くの投資家が「欲しい」と感じ ます。

この記事では、会社の業績を始めとする「株価を変動させる要素」を詳しくご説明します。

株価が変動する理由

株価は投資家による買い注文が多ければ上がり、売り注文が多ければ下がります。

株価の変動を予測するときは「株を買いたくなる状況」と「売りたくなる状況」を考えてみましょう。

どのような株式が評価されやすいのか、指標から予測できるよう知識を身に付けることで、長期投資に相応しい銘柄を見つけやすくなります

企業の業績は株価を大きく変動させる

会社の業績が現在進行形で伸びていれば、投資家は「今後もこの会社は成長するだろう」と判断し、株式の買い意欲を強めます。

一方、会社の業績が下がり続けている場合は、将来性に乏しいと判断されて売り圧力が強くなります。

会社の業績は、投資家にとって最も分かりやすい指標であり、それだけに株式の需給に対して大きなインパクトを与える要素なのです

株初心者は、会社の業績を理解するにあたり、以下の指標を学び「長期的に株価上昇が期待できる銘柄」を探せるように意識しましょう。

指標 読み取れる情報
決算短信 今後の業績予想や事業方針
PER 純利益に対する株価の割安・割高感
PBR 純資産に対する株価の割安・割高感
ROE 自己資本あたりの利益率

各指標の具体的な利用方法については、「初心者が株を買うべきタイミングとは?」の記事を参考にしてみてください。

なお、こうした指標に基づき、企業の本質的な価値を見極める分析方法を「ファンダメンタルズ分析」と呼びます。

長期的な目線で投資を始める場合は、チャートをもちいるテクニカル分析より重視される傾向にあるため、長期投資を前提とするならファンダメンタルズ分析を優先して覚えましょう

斜陽産業は中長期的に株価下落の懸念あり

割安・割高感を算出するための指標を使う際、注意すべき点が「分析対象の業界における将来性」です。

国内の印刷業を例に取り上げてみましょう。2005年の印刷・同関連業の製品出荷額は約6兆9000億でしたが、2017年には約5兆2000億円まで減少しました。

スマートフォン、電子書籍が一般化したことで、産業全体の出荷額が減り「斜陽産業」の状態が続いています。

直近の業績が良く、PERやPBRが割安な水準を示していれば、優良な投資先として判断しがちです。

しかし、数値だけを参考にして投資判断を下す行為には、大きな落とし穴が潜んでいます

今後衰退が懸念される斜陽産業は、割安な水準を示す指標があらわれやすいです。

現時点での業績は良かったとしても、将来性に期待している投資家が少なく、財務状況に対して株式が売られがちになります。

昨今、IT化によりビジネスシーンの変遷は激しくなっており、時代の波に乗れない会社は苦しい時代になりつつあります。

ファンダメンタルズ分析で「表面的な会社の業績」が優れているように判断できても、あえて廃れていく業界に投資すべきではありません

斜陽産業下の銘柄は「トレンドに対する柔軟性」で検討

すべての企業が、ひとつのビジネスモデルに依存しているわけではないため、一見すると分析対象が斜陽産業に当てはまるかどうか、見極めは難しいものです。

そこで、注目すべき点が「ビジネストレンドに対する柔軟性」です。

昨今のビジネスシーンでは、顧客に対してサブスクリプション(月額課金)の製品を提供する形態が主流となりつつあります。

Amazonが提供するサービス「アマゾンプライム」や、音声配信サービスの「Spotify」は、まさしくサブスクリプションの代名詞です。

日本国内では、トヨタ自動車がサブスクリプションモデルへ転換することで話題を呼びました。

トヨタ自動車は「柔軟性のある国内企業」の好例

長らく日本の自動車メーカーを牽引してきたトヨタ自動車は、自動車を製造する会社として有名でした。

しかし、時代とともに消費者の価値観は変わり、自動車を購入することの優先順位が下がりつつあるため、自動車業界全体が伸び悩んでいたのです

こういった背景から、トヨタ自動車は「自動車の製造」から「移動にかかわるサービスの提供」すなわち、モビリティ・カンパニーに移行することを公表しました。

さっそく、月額定額サービス「KINTO」やカーシェアサービス「TOYOTA SHARE」などをローンチするなど、自動車を世間に提供する事業方針にガラリと切り替えたのです。

実際に多くの自動車メーカーの株価が低迷しているなか、2019年12月現在でトヨタは株価が回復傾向にあります

つまり、競合より素早くサブスクリプションを取り入れたトヨタの柔軟性は、長期目線での投資においても検討するべき材料として機能しました。

柔軟性」のチェックは、特に経済に関わるニュースを見たうえで、新事業の内容と決算情報などを照らしてみましょう。

海外市場の影響により国内株が変動する理由

出典:Yahooファイナンス

2つのチャートのうち

  • 上がアメリカの平均的な「株価指数(NYダウ)」で
  • 下が「日経平均株価」です

たとえば2018年末において、アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備理事会)は政策金利の引き上げを発表しました。

政策金利は景気をコントロールする役割を持っており、金利を下げることで個人の消費や設備投資を促す=景気上昇のきっかけを作ります

反対に、景気の過度な上昇を抑制する今回の金利引き上げが、海外の個人投資家、機関投資家を「売り」へと促し、出た損失分を穴埋めする目的で日本株を売った結果、上記のような日米同時株安を招きました。

このように、海外の株式市場で起こった出来事も、日本の株価変動に大きな影響を与える要因となるため、とくに大企業の破綻や景気失速など市場全体の株価を下落させる悪い材料には注視して、保有銘柄の業績が株安の影響で下がる場合は、売却を検討するべきです。

チャートで株価変動を察知する

株価が上下する予測を立てるためには、企業をとりまく要素のほか、株価チャートで変動を察知する方法があります。

チャート取得についてはネット証券など、証券会社ごとにツールが用意されているため、口座開設前にチェックしておくとよいでしょう。

移動平均線

yahooファイナンス

移動平均線
一定期間における株価の平均値を線で結んだ、株価変動の傾向(トレンド)を把握できるデータです

上のチャートにおいては黄(25日)・赤(13週)・緑(52週)の順に期間を決めて平均値を集計しています。

また、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上に抜く(黄色い線が赤や緑と交差する)ことを、株価上昇傾向への転換を示す「ゴールデンクロス」といいます。

例えば上記チャートでは「2月中旬にゴールデンクロスが起こっており、株価上昇のサイン(上昇トレンド)として機能したため、買い時だった」と分析できます。

デッドクロスがあらわれた際は株価動向に要注意

短期の移動平均線(黄)が、長期の移動平均線を(赤・緑)と交差して下に抜けたとき。

つまり、ゴールデンクロスとは真逆のチャートになった際、その現象を「デッドクロス」といい、株価が下落傾向に転換していること(下降トレンド)を示します。

投資を検討している銘柄が、デッドクロスの状態となっている場合は、しばらく下落を続ける懸念があるため様子見が望ましいでしょう

デッドクロスが発生して下落が続き、許容できる損失を抱える場合は、売却を検討する段階です。

このように、株式の値動きを示すチャートは、分析対象の動向を知るうえで適したツールとなるため、ファンダメンタルズ分析を補完する方法として使ってみましょう

なお、移動平均線についての詳しい解説は、「株の移動平均線の正しい見方と効果的な使い方」で解説しています。あわせてご参照ください。

ローソク足

yahooファイナンス

ローソク足
株価の動きを表した記号で、1日(日足)・1週間(週足)・1ヶ月(月足)などの期間内において「株価が上がったか、上がりそうか、下がりそうか」などの予測を立てるために使用するものです。

上記チャートは1年間の日経平均株価を表しています。図内で底値にあたる2018年12月から2019年1月のローソク足を見てみましょう。

ローソク足 サイン
下ひげの長い陽線のこと。株価が大幅に下がるがそのあと買い戻されて始値より高い価格で終わった。株価上昇を暗示する
下ひげの長い陰線のこと。株価が大幅に下がるが、その後買いが強くなりやや持ち直した。底値で現れると上昇のきっかけと見ることができる

2018年12月より株価が下がりながら、2019年1月にかけて連続して「下影陽線」と「下影陰線」が出ています。

いずれも株価上昇を暗示するシグナルだったため、そのあと実際に底値圏から持ち直して株価は上昇しました。

上記のような一連のシグナルは、ローソク足チャートで株価変動を察知する場合の代表的な買いのタイミングとして機能する可能性がある、と覚えておきましょう。

このほかのローソク足に関する詳しい解説は、「株のローソク足とは?種類と見方・チャート分析の基礎を解説」の記事に記載しています。

重要な指標の1つであるため、学習の際はあわせてご参照ください。

この記事のまとめ

株価がどのように動くか」は、できるだけ多くの指標から情報を得て、予測を立てる必要があります。

長期投資をする場合においても、投資先の企業をとりまく環境や、株価を変動させる要素について普段からチェックすることを心がけましょう

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