株価の変動要素と売買のタイミング

株初心者にとって理想的な売買は「安いときに買い、長期的に株価が上がって下落する前に売る」ことです。
長期的に株価が上がる銘柄を見つけられると、1日や1週間単位で株価の値動きを気にしなくて済みます。

そのためには、株価が上下に変動する要素を知り、大まかな予測を立てなければなりません。

この記事では、株が上がる要素・下がる要素について、銘柄を取り巻く環境と株価チャートの視点から解説し、売買のタイミングとあわせて紹介していきます。

企業の業績が「投資家」を動かす

株価は投資家による買い注文が多ければ上がり、売り注文が多ければ下がる仕組みです。
たとえば「○○社の株が大暴落」というニュースは、何らかの事情で投資家が○○社の株を大量に売ることで発生します。
そのため株価を変動させているのは、投資家自身といえます。

また、企業の業績が「株を買いたい・株を売りたい」といった投資心理に作用する可能性があります。

企業の業績は株の売買理由へ直結する

「会社の業績がいい」ことは、配当金や企業価値を見込んだ投資家によって株が「買われる」理由となるため、長い目で見ると企業業績と株価は比例して上がる傾向にあります。

反対に1日単位など、短期取引においてはデイトレーダーの投資判断によって株価は急騰・急落することがあるため、株価変動を予測することは難しく、損をするリスクが高いです。

株初心者は業績予想を通じて、長期的に株価が伸びてゆく銘柄を買うべきでしょう。くわしい銘柄の選び方(投資指標)については「初心者が株を買うべきタイミングとは?」の記事を参考にしてみてください。

業績に悪影響となる要素があると、株価が下がります。

  • 要素1:投資先内部で問題が発生した
  • 要素2:為替の変動

業績に悪影響をもたらす要素1:投資先内部で問題が発生した

出典:Yahooファイナンス

上記は油圧機器メーカー「KYB」のチャートです。
2018年10月、同社が全国のマンションなどに設置していた「免震ダンパー」の性能データを改ざんしていたことが発覚し、ニュースで連日取り上げられるほどの問題となりました。

株価チャートにおいても2018年10月を境に株価が急落していることから、「不祥事・コンプライアンス違反」など企業内で起こった問題は大きく株価を下げる要素となります。

このような問題発生時は、本来であれば株の「売り時」です。

しかし前述のような規模で保有銘柄の株価が急落、売り注文が殺到して買い手が少なくなった場合、そもそも取引が成立しない=売りたくても売れないリスクが発生し、手遅れになった時点で「売れるまで持っておく」くらいしか対策がありません。

株初心者は予期せぬリスクへの備えとして「分散投資」をおこなうか、銘柄自体が分散投資の効果を持つETF(上場投資信託)などの運用も検討してみてもよいでしょう。

業績に悪影響をもたらす要素2:為替の変動

国内の輸出企業に該当する銘柄へ投資していた場合、1ドルが100円と80円のときでは商品の価格が変わります。

400万円の商品は1ドル100円(円安)だと4万ドルですが、1ドル80円だと5万ドルです。
外国の商売相手には1ドル80円(円高)のとき、商品が売れにくくなります。

投資先銘柄の業績が悪化しており、なおかつ為替の状況も不利な場合は、売却タイミングとして検討するべきでしょう。

業種ごとの「景気」を意識しておく

「景気がいい」というのは、企業の経済活動が好調であることを指す指標で内閣府の「景気指数動向」などで数値化されています。

好況時は積極的に事業投資をおこなう企業も増えるので、新製品発表や事業拡大などを行う企業に対して、業績向上を期待した投資家が株を買うことで、連動して株価も上がります。

ただし景気好調は「すべての業種が成長している」指標とはいえないため、初心者は「業種ごと」の景気や先行きが調査されている「日銀短観」などを参照するとよいでしょう。

気になる銘柄にまつわる業界の状況と、企業業績の上昇率・下落率などを照らし合わせたうえで、どちらも上昇傾向であれば買うことを考え、反対にどちらも下落傾向にあるようなら、売ることを検討しましょう。

海外相場の影響

Yahooファイナンス

2つのチャートのうち、上がアメリカの平均的な株価指数(NYダウ)で、下が日経平均株価です。

たとえば2018年末において、アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備理事会)は政策金利の引き上げを発表しました。
政策金利は景気をコントロールする役割を持っており、金利を下げることで個人の消費や設備投資を促す=景気上昇のきっかけを作ります。

反対に、景気の過度な上昇を抑制する今回の金利引き上げが、海外の個人投資家、機関投資家を「売り」へと促し、出た損失分を穴埋めする目的で日本株を売った結果、上記のような日米同時株安を招きました。

このように、海外の株式市場で起こった出来事も、日本の株価変動に大きな影響を与える要因となるため、とくに大企業の破綻や景気失速など市場全体の株価を下落させる悪い材料には注視して、保有銘柄の業績が株安の影響で下がる場合は、売却を検討するべきです。

株価チャートで変動を察知する

株価が上下する予測を立てるためには、企業をとりまく要素のほか、株価チャートで変動を察知する方法があります。

チャート取得についてはネット証券など、証券会社ごとにツールが用意されているため、口座開設前にチェックしておくとよいでしょう。

移動平均線

yahooファイナンス

移動平均線
一定期間での株価の平均値を線で結ぶことで、株価変動の傾向(トレンド)を知ることができるデータのこと。

上のチャートにおいては黄(25日)・赤(13週)・緑(52週)の順に期間を決めて平均値を集計しています。

また、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上に抜く(黄色い線が赤や緑と交差する)ことを、株価上昇傾向への転換を示す「ゴールデンクロス」といいます。
チャートでは2月中旬にゴールデンクロスが起こっており、株価上昇のサイン(上昇トレンド)として機能しているため、2月は「買いどき」だったことになります。

では、上記のチャートにおける「売るタイミング」はいつなのでしょうか。

ふたたび黄色い移動平均線が赤・緑と交差して下に抜けたとき、その現象を「デッドクロス」といい、株価が下落傾向に転換していること(下降トレンド)を示します。

仮にあなたが2月中旬で上記の株を買っていた場合は、黄色い線が交差するまでに売り注文をかけて、利益を確定させるとよいでしょう。

このように、半年間・1年間の値動きを示すチャートは、長期投資においても自分が買った銘柄の動向を知るにはうってつけのツールとなるため、株初心者は先に紹介した兆候とあわせて、売るタイミングについて検討する必要があります。

「移動平均線」についての詳しい解説はこちら

ローソク足

yahooファイナンス

ローソク足
株価の動きを表した記号で、1日(日足)・1週間(週足)・1ヶ月(月足)などの期間内において「株価が上がったか、上がりそうか、下がりそうか」などの予測を立てるために使用するもの。

上記チャートは1年間の日経平均株価を表しています。図内で底値にあたる2018年12月から2019年1月のローソク足を見てみましょう。

ローソク足 サイン
下ひげの長い陽線のこと。株価が大幅に下がるがそのあと買い戻されて始値より高い価格で終わった。株価上昇を暗示する
下ひげの長い陰線のこと。株価が大幅に下がるが、その後買いが強くなりやや持ち直した。底値で現れると上昇のきっかけと見ることができる

2018年12月より株価が下がりながら、2019年1月にかけて連続して「下影陽線」「下影陰線」が出ています。

いずれも株価上昇を暗示するシグナルで、実際に底値圏から持ち直して上昇するタイミングとなりました。
そのため一連のシグナルは、ローソク足チャートで株価変動を察知する場合の代表的な買いのタイミングとして機能することを覚えておきましょう。

また株初心者は、長期にわたって業績が伸びる銘柄を予想して購入する場合や、保有銘柄の株価が落ち始めたときに、先ほど紹介した「移動平均線」とともに半年~1年程度の期間で大まかな株価の動きや、株価の立ち位置(現在の価格が高いか、安いか)を予測する場合にローソク足を活用すると便利です。

「ローソク足」についての詳しい解説はこちら

この記事のまとめ

「株価がどのように動くか」は、できるだけ多くの指標から情報を得て、予測を立てる必要があります。長期投資をする場合においても、投資先の企業をとりまく環境や、株価を変動させる要素については、普段からチェックすることを心がけましょう。

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