初心者が株を買うべきタイミングとは?

株初心者にとって投資のベストタイミングは「買うべき株」を見つけたとき、といえます。

「買うべき株」とは、ひと言で表すと「5年~10年後に伸びている会社の株」で、伸びるかどうかは業績と株の割安さで判断します。
つまり株が決まりさえれば、いつ買っても問題ないのです。

また、「業績や株の割安さ」には、それぞれに調べるための指標があります。
この記事では、買うべき株を見つけるために必要な要素や指標の見方、情報の分析方法について詳しく解説していきます。

「いつ売っても儲かる株」の見つけかた

引用元:トレーディングビュー

株価の推移を表した2つのチャートのうち、どちらの株が買いやすいですか?

株を「安く買って、高く売りたい」と考えたとき、じわじわ右肩上がりの値動きを示している「2」のチャートが比較的安定していて買いやすいはずです。逆に「1」は急落、急騰をくり返しており、買うタイミングを外せば大きく損失を出す可能性があります。

「1」のような銘柄を探し出せばよいのでは?」と考えると思いますが、じつはこのチャート、どちらも同じ銘柄です。違う点はチャートを計測した「期間」で、同じ日を起点として「1」が過去5日間のチャート、「2」が過去5年間のチャートを示しています。

「1」のチャートで利益を出そうとすると、相場が示す「谷」の部分で買うべきなのですが、そのタイミングは実質2日間もありません。 対して、「2」のチャートで2015年に株を買っていたとすると、2019年5月現在の間、いつ売っても利益確定できます。

つまり、株初心者にとって理想となる株を買うタイミングは「長期的に成長する銘柄(企業)を見つけたとき」で、それはいつでもいいのです。

銘柄選びに必要な要素とは?

  1. 業績
  2. PER
  3. PBR
  4. ROE

「必ず成長する株」というものが見つかれば苦労はしませんが、企業を取り巻く様々な情報を見ることで「成長するかも?」という当たりを付けることができます。

企業への当たり付け、成長性を基準に絞り込みをする作業を「スクリーニング」といいます。

スクリーニングには企業が公開する決算短信や会社四季報に書かれたデータを用いますが、証券会社によっては業績や指標をオンラインで確認できるツールを公開しており、これを使うと分析に使う作業時間を短縮することが可能です。

ネット証券が提供するツールのうち、とくに便利なものはマネックス証券の「銘柄スカウター」です。四半期(3ヶ月)ごと・過去10年分などの業績推移や過去10年間にわたる企業の「成長率」で絞り込みをかける機能など、時間のかかる作業や分析を一瞬で、視覚的にもわかりやすい形で指標を確認でき、無料で使えるため、投資初心者の方にもおすすめです。

マネックス証券「銘柄スカウター」

これから株を買う方はツールを活用しつつ、企業の成長を見るうえでポイントとなる4つの指標「業績・PER・PBR・ROE」をチェックしておきましょう。

業績が伸びている

業績がいい=株価が上がるということは、必ずしも正解ではありません。たとえば1日単位での株取引では、投資家同士の駆け引きで株価が急騰・急落することがあるためです。

「株価が上がる=株の買い手が多い」、これは事実です。
つまり企業の業績が伸び続けることで、高配当や企業価値を見込んだ投資家により「株が買われる理由」が生まれるため、長期的な視点で判断すると、業績の伸びと株価は比例することを覚えておいてください。

業績を判断する指標としては「売上高・営業利益・経常利益・純利益」などが挙げられます

売上高 営業利益 経常利益 純利益
企業が本業から得た収益(仕入れ値や費用は考慮しない) 売上高から販管費や仕入れ値を引いたうえでの利益。同業種競合より多いと、本業においての優位性を持っていると判断できる 本業以外の副業を含んだうえでの利益。会社が持つ総合的な強みの指標となる。 経常利益から費用や税金などを差し引いた、最終的な利益。すべての企業活動から得た成果への指標となる。

買った株が利益を生むためには「今の業績」よりも「これからの業績」が伸びないと意味がありません。最低でも過去3年間における業績の推移を確認して、それぞれの利益が上昇傾向にあるかどうか、チェックしておきましょう。

引用元:村田製作所

上記のように各企業が決算短信やHPで発表する「業績予想」は今後の業績を予測するうえで重要な指標です。

また年度内で業績を上方修正、下方修正した場合は、投資家が株を売り買いする材料となり、結果として株価も上下する傾向にあります。業績を指標にする場合「過去数年間で業績が伸び続け、来期業績予想も上昇傾向にある銘柄」を条件にスクリーニングするとよいでしょう。

PERを見る

PERとは
株価が企業にとって割高か割安かを表す倍率で、「1株の値段÷1株あたりの純利益」で算出できるもの。

1株あたりの純利益は、その会社の当期純利益÷発行株式数で計算できますが、PERなどの数値はYahooファイナンスや証券会社のスクリーニングツールで確認できるので、自分で計算する必要はありません。

PERの数値を出すことで

割高=企業が過大評価されている、投資家からの人気が高い
割安=企業が過少評価されている、投資家からの人気が低い

このような予想が立てられます。

PERの数値は一般的に15倍以下で割安とされていますが、「業界・業種」によって平均値が変わります。たとえば医薬系の企業やIT企業など、「規模は小さいけど成長が期待されている分野」のPERは平均して高い傾向にあります。PERは「同業界・同業種のライバルを比較するとき」の相対的な指標として使いましょう。

PER(ピー・イー・アール)とは?株の重要指標を分かりやすく解説

PBRを見る

PBRとは
株価が企業にとって割高か割安かを表す倍率で、「株価÷1株あたりの純資産」で算出できるもの。

A社の1株純資産を500円としたときに、時期ごとの株価を見てみましょう。

日付 株価 1株純資産 PBR
4月1日 1,000円 500円 PBR2倍
4月30日 500円 500円 PBR1倍

4月1日の株価は資産に対して2倍の評価がされている=割高と考えられます。その後、4月30日にPBRの値が1倍となりました。

PBR=1倍は、純資産の価値と株価が同じと判断でき、その会社にとっての底値圏の指標とされています。
PBRのみを指標とした場合は、「4月30日のほうが割安で、株を買うタイミングとして適当だった」ということになります。

PBR(ピー・ビー・アール)とは?株の重要指標を分かりやすく解説

ROEを見る

ROEとは
株主から集めた資金=自己資本を使ってどれだけ利益を稼げたか?を表す指標。
ROE(%)=当期純利益÷自己資本×100

ROEの数値は、2014年に経産省(伊藤レポート)より提言された「最低限8%へのコミット」が上場企業の基準値として浸透しており、ROE10%~20%記録できれば「効率よく経営できている優良企業」と見ることが可能です。

つまり同業他社と比較したときに、よりROEの数値が高い企業のほうが成長しやすいのでは?と予想できます。

A社 B社 C社
PER 12倍 30倍 6倍
PBR 1倍 5倍 0.9倍
ROE 18% 6% 4%
特徴 効率よく経営できており、株価は割安になっている企業。 株価は割高で、企業への期待度が高いが、経営効率があまりよくない企業。 株価は割安になっているが、経営効率が悪い企業。

PER・PBR・ROEをまとめると、上記のような予想を立てることができます。 3つの指標のみで判断し、いま株を買う場合は、A社が買いのタイミングといえるでしょう。

これらの指標に加えて、さきほど紹介した業績の推移を照らしあわせることで、買うタイミングにあたる銘柄を絞り込んでゆきましょう。それぞれの指標を自分で調べあげるのは大変なので、先ほど紹介したマネックス証券の「銘柄スカウター」やSBI証券のスクリーニング機能といったツールを活用すると便利です。

株価が一時的に上がるタイミングとは

業績以外の要素で株価が上がることがあります。

たとえば商品やサービスなど株主優待の受け取りが決まる権利付き最終日(権利確定の3営業日前)の直前は、優待狙いの個人投資家によって買い注文が入り、一時的に株価が上がる傾向にあります。
そのため、すでに長期保有を目的として購入する銘柄や投資金額を決めている場合は、権利付き最終日を確認したうえで、その翌日(権利落ち日)以降に購入するとよいでしょう。

短期決戦で用いられる「買い」のタイミング

1日単位で株を売買する「デイトレード」や数週間単位で売買を行う「スイングトレード」など、短期保有で利益を出す投資スタイルにおいては、株価チャートを用いた投資手法(テクニカル分析)を使います。

順張りと逆張り

上記のチャートは1カ月間の株価の値動きを表しています。
株価が上昇傾向にある時期(上昇トレンド)において一時的に株が下がるタイミングを「押し目」といい、押し目で株を買い、株価がふたたび下がるまでに売って利益を出す買い方を「順張り」といいます。

逆に、下降トレンドの底値から上昇トレンドへ転換するタイミングで株を買うことは「逆張り」とされています。

順張りと逆張りのリスク

保有期間が短いと、順張り・逆張りはともにリスクの高い投資法だといえます。
常に株価をチェックして、相場を予測したうえで売却しなければ、すぐに相場が変わって損失を出してしまうからです。

もし短期取引をおこなう場合は投資額を抑えて、上昇トレンドに入ったことを確認したうえで「順張り」から始めることをおすすめします。

「逆張り」は底値から反発すれば利益を出せますが、底だと思っていた位置からさらに株価が落ちることがあり、値動きを予測しづらく、よりハイリスクな方法だといえます。

株価が下がったときは?

「順張り」「逆張り」で買った株価が下がったとき、よく紹介される投資方法として「ナンピン買い」があります。ナンピン買いは下がった株をあえて買い増して、ふたたび値上がりしたときに多くの利益を手にするための注文方法ですが、値動きの予測をして株価が値上がりする根拠を掴まないと損失を大きくするため、株初心者にとってはリスクが大きいです。

株価が下がったとき、初心者にはすぐに売り注文をして損失を確定させる「損切り」を推奨します。値動きを予測できない初心者は「またいつか株価が戻ってくるだろう」という根拠のない気持ちだけで株を保有しがちですが、株が下がり続け、売るに売れなくなる状態に陥ると、利益どころか投資資金まで塩漬けにしてしまう可能性もあるからです。

ゴールデンクロスとデッドクロスでトレンドを知る

上記チャートの「赤と緑」の線は「移動平均線」と呼ばれています。

移動平均線とは、一定期間での株価の平均値を線で結ぶことで、株価変動のトレンドを知ることができるデータです。

上のチャートにおいて短期の移動平均線(赤)が長期の移動平均線(緑)を上に抜けることを、株価上昇傾向への転換を示す「ゴールデンクロス」といい、買いのタイミングを判断する材料となります。

ふたたび赤い移動平均線が緑と交差して下に抜けたとき、その現象は「デッドクロス」とされており、株価が下落傾向に転換していることを示します。

つまり、ゴールデンクロスで買い、デッドクロスを迎える前に売れば利益を手にすることができるという理論です。

上値抵抗線(レジスタンスライン)

上昇トレンドのなかで過去の高値を結んだ線を上値抵抗線(レジスタンスライン)といいます。
株価が上値抵抗線まで上がると投資家心理により売却の注文が増え、株価は下がる傾向にありますが、上値抵抗線を突破したときは「ブレイク」といわれており、さらに勢いよく株価が上がるパターンです。

順張り投資においてブレイクは、買い時の一般的なタイミングとされています。

以上のように、短期運用においても買うタイミングはありますが、初心者にはおすすめできません
短期間で利益を出すためには1日~1週間のうち、交互に何度も訪れる「買うタイミング」「売るタイミング」を逃せなくなります。
タイミングを逃さないために四六時中モニターに張り付き株価をチェックし、値動きを予測するのは大変です。

株初心者は、スクリーニングを活用して長期の運用を前提にした銘柄選びを慎重におこない、短期間での値動きにとらわれることのない利益確保を目指していきましょう。

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