投資初心者のための株の始め方

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株初心者が、利益や資産形成を目指すために「少額でコツコツ資金を積み立て、長期で運用する」という考えを持ちましょう。

短期投資は、1日単位の値動き次第で損益が大きく左右されるため、初心者にとって非常にハイリスクです。

長期投資においても投資先の株価が上がらなければ、原則として利益は出ません。そのため、銘柄選びは株の始め方において重要です。今は1株から投資できるため、まずは少額で取引の流れを覚えて、配当や株主優待に重きをおいた長期投資も視野に入れましょう。

この記事では、株の始め方を「どこで買うか」、「何を買うか」、「どのように買うか」に分けて、それぞれ初心者向けに解説します。

また、株を買うためにはネット証券での口座開設も必要です。手数料やサービスなど、比較する指標はいくつかあります。口座開設は無料でできるため、気になる口座を複数開設して、それぞれ運用してみましょう。

株を始めるためには証券会社で口座を開設する

株の取引を始めるには証券会社で口座を開設する必要があります。ただ、証券会社はたくさんあるので、「どこを選べばいいか分からない」という人もいるでしょう。

そこで、初心者はインターネット専業証券(ネット証券)を選ぶようにしましょう。比較検討する基準をいくつかご紹介します。

取引手数料

ネット証券の最大のメリットは、手数料が安いことです。野村證券や大和証券など大手対面証券会社で数千円の手数料がかかる場合でも、数百円で購入できます。主要ネット証券の手数料体系(税抜)は以下の通りです。

*都度プラン(1注文当たりの手数料)

国内現物・約定(税抜)
証券会社名 10万円まで 20万円まで 30万円まで 50万円まで 100万円まで

90円 105円 250円 250円 487円

90円 105円 250円 250円 485円

約定ごとの手数料プランなし

90円 180円 250円 250円 990円

99円 200円 350円 350円 600円

100円 180円 250円 450円 1,500円(指値)

125円 180円 250円 400円 800円

80円 97円 180円 180円 340円

95円 105円 260円 260円 470円

80円 97円 180円 180円 340円

定額プラン(1日の約定代金にかかる手数料)

国内現物・定額(税抜)
証券会社名 10万円まで 20万円まで 30万円まで 50万円まで 100万円まで

0円 0円 0円 0円 762円

0円 0円 0円 0円 858円

0円 0円 0円 0円 1,000円

1日定額の手数料プランなし

2,500円 2,500円 2,500円 2,500円 2,500円

0円 0円 350円 500円 800円

400円 400円 400円 400円 600円

212円 212円 277円 398円 796円

1日定額の手数料プランなし

1日定額の手数料プランなし

少額投資を始める初心者の場合、SBI証券・楽天証券・松井証券で始めと定額プランの手数料が50万円まで無料です。

証券会社の10社比較はこちらの記事をチェック

株アプリは複数使ってみる

証券会社が提供する株アプリも非常に便利です。多くの投資家がネット証券のスマホアプリで株価チェックをしたり、株を取引したりしています。

以下のような情報の質や量をチェックしましょう。

  • 株価情報はリアルタイムかどうか
  • 株価チャートは豊富に用意されているか
  • 発注はしやすいか
  • 企業情報やニュースなどの情報は豊富かリストが入ります

アプリの使い勝手やデザイン、機能などは投資方針や手法で好みが分かれます。口座開設とアプリの利用は無料なため、複数の証券会社で口座を開き、実際にアプリを試すようにしましょう。

編集部が厳選したスマホアプリも紹介しています。以下の解説記事を参考にしてください。

初心者向きの株アプリで使いやすいのは?おすすめスマホアプリ3選

口座開設時に選ぶこと

取引するネット証券を決めたあと、選ぶべき項目をチェックしましょう。とくに「特定口座」に関する部分は混乱する方もいます。証券口座には、以下の3種類があります。

特定口座(源泉徴収あり)

証券会社が1年間の株式などの売買損益を計算し、税金を源泉徴収で納税してくれます。確定申告の必要はありません

特定口座(源泉徴収なし)

証券会社が売買損益を計算してくれますが、納税や確定申告は自分で行います

一般口座(特定口座を開設しない)

株の取引などで生じる損益計算を自分で行い、確定申告や納税をします。

初心者は、「特定口座・源泉徴収あり」を選ぶようにしましょう。売買損益の計算や確定申告といった手間を省けるからです。

「NISA口座」と「つみたてNISA」の併用は不可

株式の売却益や配当金には、通常20.315%の税金がかかります。しかし、NISA口座を開設すると、年間120万円までの投資金額に対する値上がり益や配当金が非課税になります。 株式の売買や配当狙いの投資を非課税で行いたい方は「特定口座」と一緒に「NISA口座」も開設するようにしましょう。

ただ、2018年から少額投資非課税制度である「つみたてNISA」も始まりました。通常の「NISA口座」と「つみたてNISA」は同時に保有することができません。どちらか一方を選ぶ必要があるのです。

しかし、つみたてNISAは投資信託のみが対象で株式は非課税になりません。じっくりと検討したうえで、株式投資の頻度が多く投資を非課税で行いたい方は、通常の「NISA口座」を開設するようにしましょう。

特定口座についての詳細は、以下の記事をチェックしてください。

株の特定口座って何?一般・NISA口座との違いと選び方・注意点

つみたてNISAは「長期・分散・積立」に適した投資信託が対象

つみたてNISAは、積立投資による運用益が非課税となる制度です。金融庁が認可した163本の投資信託へ投資できます。5年以上の実績がある販売手数料がゼロ、保有コストである信託報酬が安いなど、長期・積立・分散投資に適した投資信託が選ばれています。

投資可能な上限金額は年間40万円、期間は最長20年間なので、最大800万円分が非課税対象です。そのため、つみたてNISAは長期での資産形成に向いています。ただし、つみたてNISAの投資対象は投資信託のみです。

株式投資で利益を目指したい!」方は、NISA口座での取引が必要です。投資信託を利用して資産形成をしたい場合は、株式は通常口座(特定口座)で取引したうえで「つみたてNISA」を利用してもよいでしょう。

つみたてNISAについての詳細は、以下の記事を参考にしてください

つみたてNISAとは?口座開設・運用・メリット&デメリットまでまるわかり!

株は現物株で少額から始める

株の取引には、「現物取引」と「信用取引」があります。 現物株は、通常の株式投資です。100万円の資金なら100万円までの株式を購入できます。

一方、信用取引は現金や株式を証券会社に担保として預け、自己資金の最大3.3倍まで株式を買うことができる取引です。大きな利益を狙える反面、自己資金を超える損失がでる可能性もあります。

負債を抱える可能性をはらんだ信用取引はリスクが高いです。初心者は必ず現物株から始めるようにしましょう。

単元未満株なら1株単位で購入できる

株を買うには、まとまった資金が必要だし、損失をだすのが怖い」という人にとってうれしいサービスが単元未満株です。

日本株の売買単位は原則100株です。この単位を単元株といいます。 株価1,000円の株を100株買う場合、本来10万円の資金が必要です。

しかし、単元未満株なら1株単位で購入できるので、1,000円の株を1株=1000円で保有できます。 初心者は単元未満株で取引を始めてみましょう。少額で投資できるので損失を限定することができ、複数の銘柄に分散投資しやすくなるからです。

単元未満株を提供する証券会社

主だったネット証券で、単元未満株を提供しているのは次の3社です。

サービス名 手数料率 最低手数料

SBIロゴ
S株 0.5% 50円

マネックス証券ロゴ
ワン株 0.5% 48円

auカブコム証券のロゴ
プチ株 0.5% 48円

いずれも最低手数料が決まっていたので、少額の売買では手数料負担が大きくなってしまうのがデメリットでした。

しかし、単元未満株でも手数料革命が起きています。2018年以降、LINE証券とSBIネオも証券(ネオモバ)といった新規証券会社が、単元未満株のサービスを破格のサービスで始めたからです。それぞれの会社の特徴を見ていきましょう。

LINE証券

出典:LINE

LINE証券は株式を1株単位で株を購入できます(単元株も可能)。手数料は無料ですが、LINE証券が提示する価格は、市場価格に取引コストとして、スプレッド(差額)を乗せる方式としています。

スマホのLINEアプリからLINEポイントでも投資可能です。株価が低い銘柄なら数百円で買うことができ、貯めたLINEポイントで株が買えます。 銘柄は厳選された100銘柄。有名な大企業がほとんどなので、初心者でも投資対象がイメージしやすく、選びやすいです。

ネオモバイル証券

出典:SBIネオモバイル証券

ネオモバは、Tポイントを使って株を購入できます。買い物などで貯めたTポイントも利用可能です。

ネオモバの手数料は月額制です。1ヵ月の売買が合計50万円までなら手数料は220円(税込)に抑えられます。しかもTポイントが毎月200ポイント還元されるので、消費税分の20円だけ負担する仕組みが魅力的です。

ネオモバイルサービス料の表

出典:SBIネオモバイル証券

長期保有では銘柄選びが大切

投資の基本は「長期・分散・積立投資」です。

業績がきちんと伸びている企業なら、長期的な株価上昇を期待できます。ただ、その際は複数の銘柄に分散投資しましょう。1つの銘柄が不祥事などで株価が大きく下がっても他の銘柄でカバーできるからです。

また、複数回に分けて積立投資をすると株価が高いときには株数を少なく、株価が安いときには株数を多く買えるため、平均購入単価(1株あたりの取得単価)を平準化できます。

初心者はインカムゲイン狙いで銘柄を選ぶ

株の利益には、キャピタルゲインとインカムゲインの2種類があります。

キャピタルゲイン

キャピタルゲインとは、保有している株式を売却することによって得られる利益です。たとえば、A株を1,000円で100株購入し、1,500円で売却すれば50%の値上がり益が取得できます。

(1,500-1,000)✕100株=50,000円

インカムゲインと比較して、短期間で大きな利益を狙えるのがキャピタルゲインの魅力ですが、当然値下がりしたときの損失も大きいです。 損益のブレが大きいので、初心者はインカムゲイン狙いから始めましょう。

インカムゲイン

インカムゲインとは、配当や株主優待のように株式を保有することで得られる利益のことです。 投資先が配当や優待内容を変更しない限り、株式を保有するだけで利益を狙うことができます。ただし、配当は1株でももらえますが、株主優待は単元株(100株)から出す企業が多いので注意しましょう。

株の配当とは

配当とは、企業が稼いだ利益の中から、株主に支払うお金のことです。配当の金額は会社ごとに異なりますが、保有する株数が多くなるほど配当も増えます。

初心者の人は「配当」を重視して投資してみましょう。100万円を投資した銘柄が年間3%の配当を出した場合、配当金は3万円です。値上がり益とは違い、保有することで利益を目指します。そのため1日や1週間単位での株価の値動きを気にしなくてよいです。

配当が高い銘柄を選ぶ指標として「配当利回り」があります。 企業の配当金は、年に1~2回、保有する株数に比例して配分されます。

配当利回りは、株価に対して1年間でどれだけの配当を受け取れるかの目安になり、計算式は以下の通りです。

配当利回り(%)=1株当たりの配当÷株価✕100

たとえば、1株当たりの配当金が10円で、株価が1000円の場合 *配当利回り=10円÷1000円✕100=1% 以上のように計算できます。

東証1部全銘柄の予想配当利回りは2.06%(2019年10月時点)です。一般に3%以上が高配当銘柄といわれています。

ヤフーファイナンスの配当利回りランキングなどで、高利回りの銘柄をチェックできます。

高配当銘柄の注意事項

株初心者は配当利回りランキングの結果だけで投資先を選んではいけません。業績悪化で株価が下がって配当利回りが高くなっている銘柄もあるので、売上や利益が順調に伸びているのかなど、きちんと業績も確認するようにしましょう。

業績を確認した上でチェックしたい指標が配当性向。配当性向とは、利益の中からどのくらい配当金を支払っているのかを表した指標です。計算式は以下の通りです。

配当性向(%)=1株当たり配当金÷1株当たり利益✕100

配当性向が100%ということは、利益のすべてを配当しています。そうした企業は少しでも業績が悪化すると、配当が減る=減配のリスクがあるので注意が必要です。

日本株の配当性向の平均は30%前後といわれています。高くても配当性向50%以下の株から選ぶようにしましょう。

具体的にいつ買うのか、タイミングについての解説記事は「初心者が株を買うべきタイミングとは?」をチェックしてください。

株主優待を狙ってみる

株主優待とは、企業が株主に感謝の気持ちを込めて、自社製品や優待食事券などのサービスを提供すること。2018年9月時点で上場企業の38.5%、約1450社が株主位優待を実施しています(大和IR調べ)

株主優待も、10万円の投資でもらえる銘柄がたくさんあります。普段利用している飲食店や企業のサービスから探してみてもいいでしょう。 SBI証券では優待内容の検索のほか、企業の業績内容なども確認でき、投資対象として適しているか調べることができます。

株主優待も、10万円の投資でもらえる銘柄がたくさんあります。普段利用している飲食店や企業のサービスから探してみてもいいでしょう。

SBI証券では優待内容の検索のほか、企業の業績内容なども確認でき、投資対象として適しているか調べることができます。

出典:SBI証券

IPO(新規公開株)の取得を狙う

IPO投資とは、未上場企業が証券取引所に上場する際、公開価格で株式を購入することです。 公開価格は市場の適正価格よりも安く設定されているため、多くの場合で上場後に株価が上がります。

人気のある銘柄は抽選になることが多いものの、当選したあとに初値(株式市場で最初に付いた値段)で売却し、利益獲得を目指す投資家も多いです。

「IPO投資で当選すれば、初値で売る」方法はとてもシンプルです。売買のタイミングがわからない初心者でも取り組みやすいでしょう。

IPOについての詳細は、IPOとは?を解説した記事も参考にしてみてください。

米国株にチャレンジしてみよう

近年、米国株の人気が高まっています。理由は次の2つです。

成長力の高い有名企業が多い

米国株は成長力の高さが魅力です。日米の株価指数を比べてみると、日経平均株価は2万円を超えているものの、1989年バブル時代の市場最高値3万8915円に遠くおよびません。

一方、NYダウは2019年になっても史上最高値を更新し、日経平均株価が高値をつけた1989年当時から30年で約12倍もの成長を遂げました。

アップルやアマゾン、フェイスブックなど世界を代表する株も多くあります。長期で成長力の高い有名企業が多いというのが米国株の特徴です。

株主還元に積極的

米国は株主還元に積極的で、配当を重視している企業が多くあります。とくに米国を代表する株価指数であるS&P500の中で、25年以上連続増配している企業を「配当貴族」と呼びます。

代表的な企業をあげると、コカ・コーラは57年、P&Gは63年、マクドナルドは42年連続で増配を続けています。

こうした連続増配株は株価も好調です。配当をもらいながら、値上がり益も期待できます。米国株の成長力、配当に期待している方は投資先として検討してみましょう。

この記事のまとめ

この記事では、初心者の株式投資の始め方について解説しました。まずは少額でリスクの少ない投資から始めましょう。取引の流れを覚えたい方は、1株から株を購入できる単元未満株を利用してみればよいでしょう。

執筆者 山下耕太郎
金融・投資ライター
山下耕太郎 (やました・こうたろう)
一橋大学経済学部卒業後、証券会社でマーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家に転身。現在は、金融ライターとして投資関連の記事を執筆しています。

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