NISAの上限金額と上限期間は?上限金額を超えたらどうなるか

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「NISAの上限金額は?上限を超えたらどうなる?」

「NISAの非課税期間の上限がきたらどうする?」

NISAのメリットである非課税枠の上限は、NISAの種類によって金額が異なります。また、期間満了後の扱いもそれぞれ異なるため、制度の概要の理解ができていないと少し複雑に感じられるかもしれません。

この記事では、NISAの非課税枠の上限や期間の上限に関するルールについて整理してまとめました。これからNISAの利用を考えている人は、制度についてきちんと確認しておきましょう。

  • 一般NISAの上限金額は年間120万円、つみたてNISAの上限金額は年間40万円
  • 非課税枠の対象になるのは買付金額と配当金や分配金
  • NISAの非課税期間終了時の対応はNISAの種類によって異なる

NISAの上限金額は?

NISA口座3種類(一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISA)それぞれの上限金額をまとめました。

投資可能総額 年間上限額 毎月の投資額(目安)
一般NISA 600万円 120万円 10万円
つみたてNISA 800万円 40万円 約3.3万円
ジュニアNISA 400万円 80万円 約6.6万円

一般NISAは月10万円の上限額ですので、コツコツと積み立てるよりも積極的に運用して大きな利益を求める方に適しています
そのため、積み立てながらこれから始めようと考える初心者にとっては必要とするよりも大きい枠である可能性が高いです。

つみたてNISAの場合、月約3万円という積立金額でNISA制度を十分に活用できるため、投資初心者でも気軽に始めやすい金額です。

ジュニアNISAは子どもが18歳になったときに引き出し可能になる制度です。
進学資金など、その時期の資金ニーズに対応するには適した方法です。

また、口座の名義は子どもですが運用主体は親や祖父母となるため、資金面に余裕がある場合もあります。
したがって、ジュニアNISAの月約6万円という積立可能額は、少額から始めてみようという場合であっても、ある程度余裕資金があって積立額を大きくしたいと考える場合にも対応できるでしょう。

いずれの制度でも年間上限額を超えた場合は、その年はNISA口座での購入はできません
一般または特定口座で購入することになるため、その部分は課税対象となります。なお、翌年1月を迎えればまた非課税枠での購入が可能です。

非課税枠の使い方のルール

NISAの利用を考えるのであれば、非課税枠をしっかりと活用しない手はありません。そのため、ここでは非課税枠の使い方に関するルールをきちんと押さえましょう。

NISAの非課税枠の対象となるのは、買付金額と配当金や分配金です。
非課税枠内で購入した株式等について発生する利益と、定期的に手元に入る配当金や分配金について非課税になります。

では、NISA口座で購入した商品が値上がりして時価が非課税枠を超えている場合はどうなるでしょうか。

NISAの非課税枠を考えるときは、あくまでも投資金額によって判断されるため、保有している株などの値上がりや値下がりは非課税枠に影響を及ぼしません

例えば一般NISA口座で100万円で購入した株式が値上がりし、現在の時価が150万円になっているような場合です。この場合、一般NISAの非課税枠の上限である120万円を上回っているため一般NISAの非課税枠が使えないように思われがちです。

しかし、NISAの場合非課税枠は投資額によって判断されるため、100万円で購入したのであれば、一般NISAの非課税枠はあと20万円残っていることになります。

  • 非課税枠の対象となるのは、買付金額と配当金や分配金。
  • 保有株式の時価は非課税枠に影響を与えない。

NISA口座の運用資産を売却した場合は非課税枠はどうなるのでしょうか。資産がなくなっているため、非課税枠が空いたように思えるかもしれません。
しかし、すでに非課税枠を利用している場合、資産を売却したとしても非課税枠を再利用することはできません

年間を通じてNISAの上限額まで非課税枠を利用した場合、資産の売却や値下がりがあったとしても、その年は非課税枠の利用はできなくなります。

  • 保有資産を売却しても非課税枠が空くわけではない。

また、非課税枠の上限を超えた注文だから株式などが購入できないということはありません。
基本的にはNISAの非課税枠の上限まではNISA口座による購入、上回る部分の注文は課税口座による購入という扱いがなされます。

NISAの期間の上限とロールオーバーについて

NISAには種類によって異なる非課税期間があります。それぞれの期間の上限と、期間が終了した後には投資した金額がどうなるのか、期間終了後の扱いについて確認していきましょう。

一般NISAの非課税期間と終了時の対応

一般NISAの非課税期間は5年間です。5年経過した後に運用してきた資産をどのようにするかの選択肢は3つあります。

1つ目はロールオーバーです。5年経過した後に保有資産を新たな非課税枠に移行させることができ、この制度のことをロールオーバーといいます。ロールオーバーを利用すれば、時価が120万円を上回っていてもまた非課税での運用が可能になります。

2つ目の方法は課税口座への移行です。非課税枠の利用はできなくなりますが、引き続き運用を行うことができます。

3つ目の方法は売却することです。NISA口座であれば売却益も非課税となるため、運用益を非課税で確定させることができます。

つみたてNISAの非課税期間と終了時の対応

つみたてNISAの非課税期間は20年間です。

一般NISAと違って、ロールオーバーを利用することはできません。20年経過した後は、課税口座に自動的に移行されます。したがって、20年経過した後にはそのまま課税口座に移行させるか運用資産を売却するかを選択することになります。

ジュニアNISAの非課税期間と終了時の対応

ジュニアNISAの非課税期間は5年間です。

一般NISAと大きく異なる点は、5年経過したとしても子どもが18歳になるまでは払い出しができない点です。子どもの年齢が18歳になるまでは売却ができないので、運用資産は引き続きロールオーバーして運用を続けることになります。

18歳になった時点で売却するかロールオーバーをして引き続き運用するかを選択することになります。ロールオーバー後の運用は20歳までは非課税で継続することが可能です。そして、運用を続けて20歳になった場合、一般NISAに移管することが可能です。

この記事のまとめ

NISAの種類によって上限金額や期間、期間終了時の対応は異なります。短期で運用益を狙いたい人は一般NISA、長期でコツコツ積み立てたいという人はつみたてNISA、子どものために貯金ではなく運用で資金を増やしたいという人はジュニアNISAを検討してみることをおすすめします。

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