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IPO株の売り時を検討するうえで知っておきたい知識3点
IPO株は、買っただけでは利益が出ないのはもちろんですが、通常の株とは違う値動きの仕方をするので売るタイミングが重要になってきます。
IPO株の売り時を見極めるうえで、知っておくべき知識を3点ご紹介します。
- 初値が天井になる銘柄もある
- 初値が公募価格割れした銘柄は危険
- 予想と大きく違う動きをする銘柄もある
初値が天井になる銘柄もある
新規上場となるIPO株は、初値から値上がりを期待し購入されますが、初値が天井で、その後は安くなるばかりという銘柄も存在します。
このような銘柄は、次の2つの条件とも重なる場合が多いので注意しましょう。
初値が公募価格割れした銘柄は危険
初値が公募価格割れした銘柄は、投資家に不人気ということですから、今後も安くなる危険性大です。
初値が公募価格割れする危険性のある銘柄の見分け方は、ブックビルディング(投資家の需要予測)によって決まる公募価格が、仮条件の下限であるかどうかです。
仮条件とは、応募する際に入力する価格のことで、価格に幅が設けられています。人気があれば当然上限価格に決まりますが、不人気銘柄だと下限価格で決まってしまうのです。
IPO銘柄の購入時には、仮条件のどのあたりで公募価格が決まったかを確認し、不人気銘柄の場合は抽選に当選しても、購入をキャンセルすることも検討しましょう。
ただし、当選したのにキャンセルした場合、証券会社によってはペナルティがある場合もあります。
予想と大きく違う動きをする場合もある
株取引の世界に絶対はありません。予想と違う動きをする場合に備えて、損切りラインもあらかじめ決めておきましょう。
とはいえ、上場直後は値動きが激しいため、冷静な判断で損切りするのは容易ではありません
ではIPO銘柄を売り抜けるタイミングは、いつがいいのでしょうか。
IPO銘柄を売り抜けるタイミング
- 公開前(初値売り)
- 初値を付けた直後のボラティリティが高いとき
- ロック・アップ期日までの間
このうち、ご紹介するのは初値売りです。
公開前(初値売り)
公開前に成行注文を出しておくことで初値売りが可能です。公募価格を下回る危険性の低いIPO銘柄は、かなり高い確率で売り抜けられます。
公開前に決まった手順で売るだけなので、感情が入り込む余地もありません。自分で売るタイミングを見極めようとして最適なタイミングを逃してしまうという失敗は、初心者ほど多いのです。
初値を付けた直後のボラティリティが高いとき
初値売りに何らかの理由で失敗しても、まだあきらめないでください。
初値を付けた直後は取引が多く、ボラティリティが高い(値動きが激しい)傾向があります。このタイミングで、もう一度初値に指値注文を出して売れる瞬間を狙いましょう。
ただ、初値に戻ってこずに株価がどんどん下がることも考えられます。そういうときのために損切りラインは決めておき、その価格に達したら売れるように指値注文を出しておきましょう。
ロック・アップ制限がかかっている間
ロック・アップ制限とは、各銘柄の目論見書に書かれている、公開前から株を保有している株主に制限をかける条件のことです。
- ロック・アップ期日:90~180日間と定められていることが多い
- ロック・アップ制限:公募価格の1.5~2倍値上がりしたら制限解除
これらの条件のどちらかを満たすまでの間、公開前から株を保有している株主である創業者やベンチャーキャピタルなどは、株を売買できません。
この制限が外れたタイミングで、株価はかなりの売り圧力にさらされることになります。そのためロック・アップ制限のある間にIPO銘柄を売却するようにしましょう。
IPO株の売り方
次は、IPO株の具体的な売り方を解説します。
- 上場前の売り方(初値売りのやり方)
- 上場前の売り方は成行注文でOKです。初値売りにする場合は、あらかじめ成行注文を出しておきます。
売り注文が出せるタイミングは、上場日の早朝です。売り注文を出したら、後は結果を待つだけです。
- 上場初日に初値が付かなかった場合の売り方
- 上場初日に初値が付かない場合は、翌営業日に売り注文を出します。初値が決まるまでは成行注文ができなくなるため、その間は指値注文を出します。
- 初値が付いた場合の売り方
- 初値が付いたら、後は指値、成行どちらでも注文できるようになります。上場初日に初値が決まらず持ち越しとなった場合、初値を見てから売りたい場合はどちらの売り方でも構いません。
ここまで、できるかぎり損をしないようなIPO株の売り方を説明しました。ここからは、証券会社をご紹介します。
IPO投資で選ぶ証券会社4選
証券会社 | ネット配分と抽選方法 | IPO取扱数(2018年) | 主幹事数(2018年) | 口座開設数 |
---|---|---|---|---|
SBI証券 | 70%:1単元1票の平等抽選 30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分 |
86社 | 11社 | 470万 |
SMBC日興証券 | 10%:1人1票の平等抽選 5%:優遇抽選 |
66社 | 20社 | 340万 |
マネックス証券 | 100%:完全平等抽選(完全公平抽選) | 59社 | 0社 | 180万 |
大和証券 | 10~15%:1人1票の平等抽選 10~5%:「チャンス抽選」 |
31件 | 12件 | 334万 |
※取扱数・主幹事数は2018年12月時点、口座開設数は2019年11月時点のデータ
SBI証券:大手に引けを取らない取扱銘柄数
SBI証券の特徴は、大手に引けをとらないIPO取扱数です。主幹事数も多いことが特徴です。
1単元1票の平等抽選という抽選方法は、資金がある人ほど有利となっています。
SMBC日興証券:IPOの主幹事で店頭販売が9割近く
SMBC日興証券は主幹事数が多く、店頭でのIPO販売が9割近くを占めている点が特徴です。
ネット配分は10%+5%と少ないですが、10%は1人1票の平等抽選なので誰にでもチャンスがあります。
残りの5%は最大で5%ではありますが、平等抽選で当選しなかった場合にステージに応じた抽選票数が割り当てられて抽選となり、2度のチャンスがあります。
マネックス証券:100%完全平等抽選でライバル数が少なめ
マネックス証券はネット配分100%の完全平等抽選です。
口座数が他の3社に比べて少ないため、抽選時のライバルが少ない点は狙い目といえるでしょう。
大和証券:取扱銘柄の多くで主幹事を務める
大和証券は取扱銘柄の多くで主幹事を務めているため、IPO抽選の当選に期待できる証券会社です。