NISA株の売却方法やタイミング

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「NISAで購入した株はいつ売却するの?」

「株を放置していても大丈夫?」

NISAは貯金の代わりにコツコツ積み立てるもの、長期保有を目的に株式を購入するものというイメージをもっている方が多いかもしれません。株式はいずれ売却しなければ利益になりません。NISAでも通常の株式と同じように、できればなるべく大きな利益が出ているタイミングで株式を売却しましょう。 今回はNISA口座で購入した株の売却の方法やタイミングについてご説明したいと思います。

  • NISA株の売却タイミングは通常の株式の売買タイミングと同じ
  • 非課税期間終了時には売却以外の方法もある
  • 売却した後でも非課税枠が増えるということはない

NISAで購入した株の売却タイミングは全部で3つ

NISA口座で購入した株であっても、通常の口座で購入した株と同じように売買をしながら利益を出すことを目指してみましょう。ここからは、どのようなタイミングでNISA株の売却を考えるのかを詳しく解説していきます。

売却タイミングは3つ

NISA株の売却タイミングはおもに3つです。

まず1つ目は株式を購入した会社の業績が悪化したときです。購入する株式は当然、その将来に期待できる会社のものを選んでいるでしょう。「また上がるかも?」なんて楽観視せずに自分が考えたストーリーに反する出来事が起きたときはひとまず売却するのが得策です。また好転したらそのときに買えばいいのです。

2つ目は市場全体が冷え込むことが起こったときです。例えば2008年のリーマンショックのときなどがそれに当たります。下がり始めた株式がどこで戻るかなんて誰にもわかりません。間違っても追加購入は考えない方がいいでしょう。

3つ目は許容できる以上に損失が出てしまった場合です。たとえいつか必ず上がると考えている株でも、上がる前に損が出すぎてしまうともとの株価に戻るまでに時間がかかりすぎてしまいます。2割程度を目安に損切りラインを事前に考えておきましょう。

なるべく大きな売買益を得るタイミングは?

とにかく売買益を多く得たいなら、会社が好調なうちはなるべく保有し続けること、そのうえでそろそろ売却したいと考えるなら、次にその会社にとっていいニュースが発表されたタイミングで売却します。例えば上方修正、新しい商品の発表、どこかと提携するなどは株価に影響するいいニュースです。うまくいけばぐっと株価が上がったタイミングで売れるかもしれません。

つみたてNISAでも売るタイミングは同じ

売るタイミングは通常のNISAでもつみたてNISAでも同じです。ただし、つみたてNISAの場合は投資信託にしか投資できないので、全体の市場動向をしっかり見ておきましょう。

NISA株を売却するときの手順

NISA株を売却する手順は通常の口座での売却と同じです。Webページやアプリからいつでもどこからでも注文を入れることができます。

株式を売却する場合は注文画面を開き、成行注文もしくは指値注文のいずれかを選びます。もし、同じ株式を通常口座でも購入している場合は売却する際にどちらの口座から株式を売るのか間違えないように選択しましょう。特にアプリを通じて売買を行っている人は間違えやすいので気をつけてください。

投資信託の場合は注文を入れた日の市場が閉まった後に確定する基準価額で売買が行われます。何らかのニュースなどによって、注文を入れた後に株価が大きく変化する場合も考えられます。注文を入れた後も可能であれば市場の動きを気にしておきたいところです。

NISA満期時の対応

株をNISA口座で購入してから5年後、非課税期間が満期になった際の選択肢は3つあります。

  1. 売却する
  2. ロールオーバーする
  3. 課税口座に移す

売却を行う以外の選択肢があることを知らなかった人もいるのではないでしょうか? 2. のロールオーバーとは今保有しているNISA株をそのまま新たな非課税枠に移しかえ、保有期間をさらに5年延長する方法です。続けて保有できるため、特に現金化を急ぐ必要がなければ、ロールオーバーを行うことでさらなる利益が狙えます。

例えば所有している50万円分をロールオーバーする場合、非課税枠の120万円分のうち、50万円をロールオーバーで使い、残り70万円分が新規にNISA枠で購入できる金額になります。ポイントはあくまで購入当時の取得金額でロールオーバーが行われる点です。限度額の120万円いっぱいまで購入し、現在の時価が限度額を超える150万円になっていたとしても、あくまで取得金額の120万円でロールオーバーできるので安心してください。

3. 課税口座に移す場合、移してから売却すると通常口座での取引と同じように税金がかかってしまうので注意しましょう。また、つみたてNISAの場合、ロールオーバーという方法はとれません。

NISA株の売却に関するQ&A

売却した後、空いた非課税枠を使って再投資することはできるのか?

できません。あくまで、非課税枠は購入することで消費されるものです。売却したとしても120万円分購入した時点でその年の分は使い切ってしまったことになります。

年度末に売却を検討しているが注意することはあるか?

特にNISAだからといって注意することはありません。その年の最終営業日をしっかり確認し、売り逃しがないようにしてください。ただし、NISAは2023年の12月までの制度なので、非課税期間終了の年の場合、売却もしくは通常口座に移す必要があるので注意しましょう。

購入した商品の一部を売却することはできるのか?

できます。NISA口座といえども売買方法は通常口座と変わりません。売却する際に売りたい株式数を指定して売却してください。

この記事のまとめ

NISAは株式投資というイメージをもたれにくいですが、通常の投資と同じようにタイミングを見ながら売買を繰り返すことで利益を狙っていくものです。非課税期間終了時の対応には注意が必要ですが、売却したら損が出る場合にはロールオーバーを利用するのも手段の一つです。

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