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預貯金と配当利回りの違い
忙しいサラリーマンや主婦(主夫)の方に向いている資産運用方法は、企業が出す配当金を狙った中長期投資です。
「投資=リスク大!」と思われがちですが、老後には年金の他に2,000万円が必要と騒がれる時代に、何もしないでいることの方が、むしろリスクが大きいと考えています。
今や銀行の預貯金に付与される利息は100万円を1年預けても数百円レベルです。一方で株式投資では、銘柄によって年利3%や5%以上の配当益を確保できる可能性があります。預貯金も株も、預けている間資金が拘束される点は同じですが、利息と配当では、1年間で増える金額に10倍以上の差がつくことを覚えておきましょう。
もちろん、株式投資には相応のリスクが存在します。預貯金と異なり株式投資は元本が保証されません。そのため株価が下落した場合は、比例して資産も減ります。反対に、株価が高騰した場合は、預けた資産が増えてリターンを得ることが可能です。株式投資におけるリスクとリターンの関係は、少額から運用を始めることで徐々につかむことができます。
高配当銘柄の選び方
「高利回りの銘柄」を購入して保有しさえすれば安心かというと、残念ながらそうともいえません。株価が大きく下落すれば、比例して資産自体が減少してしまい、投資した意味がなくなります。
配当狙いの投資で失敗しないためには、配当利回りだけにとらわれず、業績をチェックすることが必要です。
特に「配当利回り7%」などの超高配当銘柄に関しては、業績悪化などにより、株価が下落して一時的に高配当となっている場合があるので要注意です。
配当は業績に応じて増減しますから、減配も考えられます。ただ単に高配当だからと飛びつくのではなく、将来の業績回復が見込めるような銘柄に投資を行うとよいでしょう。
連続増配銘柄をチェック
長期投資を行う際、「連続増配銘柄」に注目しましょう。連続増配銘柄とは、読んで字のごとく毎年配当が増加している銘柄を指します。
「毎年配当が増やせる=業績が安定している」企業が多く、今後も配当が増加する可能性が期待できるため、長期投資に向いています。ネットで「連続増配銘柄」と検索するだけでも、簡単に銘柄探しができるので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
優待品で生活費が節約できる
配当を出す企業の株を保有していれば、無配にならないかぎり、配当金は毎年入金されます。さらに株主優待を実施している企業なら、配当金に加えさまざまな優待品の獲得が可能です。
株主優待銘柄をもつことで、優待品が目に見える形で手元に届く楽しみが増えます。株主優待は、ギフトカードやクオカードなどの金券や、ホテルの無料宿泊券、企業の自社製品の食品や衣類、さらにはカタログで商品を選択できるものなど、多岐にわたります。
優待品をうまく生活に取り入れることにより、生活費などを節約できます。長期投資の場合、対象となる銘柄を保有し続けるだけで、毎年配当や優待品の受け取りができるため大変お得です。その分、出発点である銘柄選びがもっとも大切なポイントといえます。
初心者でも買いやすい配当&優待銘柄
配当や優待狙いで、初心者でも買いやすい銘柄を、私からいくつか紹介しておきます。選定のポイントは
- 連続で配当が増えている
- 比較的安価で買いやすい
- 株主優待が実施されている
上記の3点です。
※各銘柄の配当利回り・優待は2019年7月時点の情報をもとに紹介しています。
ビーアールホールディングス (1726)
3万円台で購入できて、100株保有で年800円の配当と、500円のクオカードが年に2回もらえます。比較的株価が安定しており、購入資金が安価なことが魅力です。クオカードは、コンビニやドラッグストア、書店など利用できる店舗が多いので便利です。
ヤマダ電機(9831)
約5万円で購入できて、配当利回りは2%超。保有年数に応じて、段階的に優待割引券が増額されるので長期投資向きです。優待割引券は全国のヤマダ電機で1,000円の買い物につき1枚(500円)使用可能です。100株保有で、初年度は年2回の合計3,000円分の優待割引券ですが、2年以上保有すると年間合計5,500円分まで増加します。長期で保有すると、配当+優待だけで投資金額のもとが取れる可能性があり、お得です。
KDDI(9433)
17年連続増配を続けており、配当利回りは4%近い高配当銘柄です。株主優待は株の保有数に応じて、全国47都道府県のグルメ品から選択可能な3,000円(保有1000株未満)・5,000円(保有1000株以上)のカタログギフトを用意。5年以上の長期継続保有で、カタログが5,000円(保有1000株未満)・10,000円(保有1000株以上)にアップグレードします。高配当なうえに、長期保有特典も得られるので保有する楽しみがある銘柄です。
配当銘柄の購入後に気をつけるポイント
魅力的な株主優待や配当を実施している企業でも、業績や周辺環境にアンテナを張り巡らせておくことが大事です。地合い(相場の状態)、業績や企業の方針変更などで、株価の下落や、減配・無配・優待廃止の憂き目にあうリスクがあります。
また、優待新設時にあまりにも内容が良すぎる銘柄は、早々に優待を廃止する可能性もあるので注意が必要です。最近のケースだと、安い株価で高額クオカード優待を新設した「エリアクエスト」のように、一度のみの優待実施で即優待を廃止した銘柄もあります。