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少額で買える株の銘柄
株式投資を始めるとき、どれくらいの資金が必要だと思いますか?
株価が高い銘柄だと1単元(100株)で100万円単位の資金が必要ですが、安い銘柄は1単元を1万円以下で購入することが可能です。
ここでは安い銘柄の具体例と、手数料などのコストを抑えて投資ができるネット証券についてご紹介します。
低位株とは
投資金額が少額でも、「低位株」と呼ばれる株には投資することができます。
低位株に明確な定義はありませんが、株価水準が低い銘柄のことをいいます。
一般的には、株価が500~1,000円で、1単元を10万円未満で購入することのできるものを指すといわれています。
では、そのような株はどのくらいあるのでしょう?
株価は日々変動しますので日によってバラつきはありますが、1単元10万円以下で購入できる日本株の銘柄を調べたところ、2019年12月時点で約1,350件ありました。
現在、国内株式の銘柄数は約3,760件なので、約3分の1が10万円以下で買えるのです。
下の表は、1株あたり500円以下の株を調べた表示画面の一部です。
(2019年12月1日時点)
銘柄コード | 銘柄名 | 市場 | 金額(円) |
---|---|---|---|
3825 | リミックスポイント | 東証2部 | 200 |
4837 | シダックス | JQ | 269 |
3205 | ダイドーリミテッド | 東証1部 | 280 |
4293 | セプテーニHLDG | JQ | 288 |
2193 | クックパッド | 東証1部 | 380 |
4784 | GMOアドパートナーズ | JQ | 399 |
3185 | 夢展望 | 東証マ | 466 |
4678 | 秀英予備校 | 東証1部 | 468 |
証券会社のサイトで簡単に調べられますので、投資に使える金額を決めて銘柄を探してみるのもいいですね。
低位株のメリット・デメリット
低位株のメリットは、もちろん少額から取り引きできることです。
いきなりまとまった金額で取り引きするとなるとなかなか踏み出せませんが、少額であれば、初心者でも取り引きを始めやすいですね。
株価が安い分、少額で一定の株数を購入し優待や配当金を狙うというのもよいでしょう。
また、低位株と呼ばれる銘柄は、大手企業ではなく中小企業が多く、保有している投資家も個人投資家が多いので、何か株価上昇のきっかけがあれば、一気に何倍にも株価が上昇するということもあります。 この株価の急騰を狙って低位株を大量保有する人も少なくありません。
デメリットとしては、低位株に属する銘柄には業績が傾き上場廃止になったり、会社自体が倒産してしまったりするものも含まれるということです。 株価が低いからと安易に購入することは避け、どういった業種なのか、業績が低迷していないかなどを確認するようにしましょう。
株価が低いため、値下がりした際に下落率も大きくなるといったデメリットもありますが、投資する金額を抑えておけば多少失敗したとしても致命的な痛手にはなりにくいです。
「実践に勝る練習はなし」といいますが、投資も例外ではありません。
まずは負担のない金額から始めてみましょう。
1万円未満で買える銘柄
いくら低位株といっても、「最初から数万円単位の投資をする勇気がない…」という方も多いのではないでしょうか。
実は、1単元を1万円以下で買うことのできる国内株式の銘柄も約50銘柄(2019年12月時点)あります。
例えば、ドン・キホーテの運営会社の傘下で不動産の賃貸や管理を行っている日本アセットマーケティング(8922)や、東大医科研発でがん免疫細胞療法を手掛けるメディネット(2370)がこれにあたります。
また、2016年には87円の値をつけていたシャープ(6753)が、翌年に504円にまで暴騰したということがありました。 めったにないケースですが、低位株でも株価が短期間で大幅に上昇することがあるのです。
1万~5万円で買える銘柄
投資金額を少し上げて1万~5万円で買うことのできるものへ範囲を広げると、約460銘柄(2019年12月時点)まで増えます。 一気に選択肢の幅が広がり、選ぶ楽しさも出てきますね。
株を買う理由は人それぞれですが、「この企業を応援したい!」という気持ちも立派な購買理由のひとつです。
料理アプリのクックパッド(2193)、ヤフーから社名変更をしたZホールディングス(4689)、三菱自動車工業(7211)、クロネコヤマトのヤマトインターナショナル(8127)なども1万~5万円で買うことが可能です。
探してみると、皆さんの生活になじみの深い企業もあります。
1万~5万円で買える銘柄と投資金額(2019年12月時点) | |
---|---|
レナウン(3606) | 約12,000円 |
クックパッド(2193) | 約38,000円 |
ダイドーリミテッド(3205) | 約28,000円 |
リブセンス(6054) | 約32,000円 |
Zホールディングス(4689) | 約28,000円 |
フジクラ(5803) | 約47,000円 |
このような低位株から株取引をスタートして、徐々に投資金額を上げて慣れていくのもよいでしょう。
少額取引を始めるなら手数料の安いネット証券で
1万円以下や5万円以下など、少額の取引から始めたい方は、コストが低く抑えられるネット証券を使うとよいでしょう。
ネット証券は対面の証券会社に比べて手数料が安く、少額取引に適した手数料体系も用意されています。
せっかく少額で始めようと思っているのに、高い手数料を取られてしまってはもったいないですよね。
また、対面証券では営業担当者を通しての注文となるので、少額の発注は恥ずかしいと感じてしまう方もいるようですが、ネット証券ではそのような心配もいりません。
手数料体系には、おもに2種類のパターンがあります。
手数料パターン1
1回の取り引きにつき〇円というパターン。
ほぼ全ての証券会社で用意されている標準的なプランです。
取引金額により手数料の金額は異なりますが、取引量が少ない人はこのプランを選択する人が多いです。
約定ごとに手数料がかかるパターンは、比較すると大差ないように見えますが、チリも積もれば山となります。
手数料パターン2
1日に何回取り引きしても定額〇円というパターン。
デイトレーダーのように1日に何度も取り引きする場合には、手数料を気にせず取り引きできるので、定額のプランを選択するとよいでしょう。
定額のパターンはおもに短期売買をする人がよく利用しますが、取り引きの仕方によってはこちらの方が安く済むこともあります。
パターンの切り替えはいつでもできる証券会社がほとんどですので、ご自身の取り引きにかかる手数料を計算してみましょう。
少額で株を買うための3つの方法
もともと株価が安い銘柄を買う方法以外に、少額をコツコツ投資していく方法もあります。
ここでは3通りの方法をご紹介しますので、ご自身に合いそうなものを検討してみてください。
- 単元未満株
- 積立投資
- ポイント投資
1. 単元未満株
単元未満株とは、最低売買単位である1単元(100株)に満たない株数の株式のことです。
一度に1単元で買うのは難しい場合でも、欲しい銘柄を試しに1株買うとか、10株ずつ小分けに買うことができるのです。
例えば、イオン(8267)は2020年2月18日時点では1株2,310円なので、1単元購入する場合、231,000円+手数料が必要です。
しかし、単元未満株で2株だけなら4,620円+手数料で購入できるというわけです。
単元未満株を保有すると、持ち株数に応じて配当金を受け取ることも可能です。
また、株を買い足していき、1単元に達すると通常の単元株として保有することができます。
株主優待も、受け取れる単元数を保持すればもらえます。
ただし、通常の1単元でする取り引きのように、価格を指定して注文を出す指値注文はできません。
単元未満株の取り引きができる主要ネット証券会社6社を比較してみましょう。
証券会社名 | サービス名 | 手数料 |
---|---|---|
auカブコム証券 | プチ株 | 約定代金の0.5% 最低48円(税抜) |
SBIネオモバイル証券 | S株 | 月間の約定代金合計50万円以下で月額220円(税込) |
SBI証券 | S株 | 約定代金の0.5% 最低50円(税抜) |
松井証券 | ― | 約定代金の0.6%(税抜) |
岡三オンライン証券 | ― | 約定代金~2万円:200円(税抜) ~3万円:300円(税抜) ~10万円:600円(税抜)、以降10万円増加ごとに600円(税抜)ずつ増加 |
マネックス証券 | ワン株 | 約定代金の0.5% 最低48円(税抜) |
単元株と単元未満株では手数料体系が異なり、単元未満株の方がやや割高になります。
取り引きを始める前に確認しておきましょう。
2. 積立投資
少額で投資を始めることができるサービスの一つに積立投資があります。
積立投資とは、投資のプロが株式や債券を運用してくれる「投資信託」という商品を、一定金額積み立てながら購入するものです。
投資信託とは、日本株や外国株、債券などのさまざまな商品を集めたバラエティーパックのようなものもあれば、日本の中小型株だけに投資するものなど、非常に多くの種類があります。
積み立て方は自由に選択することができ、例えば「毎週1,000円ずつ」とか「毎月1万円ずつ」というように設定できます。
少額から始められるほか、自分で株式を購入して管理する手間がかからないといったメリットがあります。
デメリットとしては、投資信託の販売会社に支払う買付手数料や、投資信託の運用会社や、管理している信託銀行に支払う信託報酬といった手数料を払う必要があることです。
積立投資は通常、どこのネット証券でも取り扱っています。
一定額を少しずつ運用したい、取り引きに時間をかけずプロに任せたい、利益が少なくても安全を優先したいという人は、まずは積立投資から始めてみるのもよいでしょう。
3. ポイント投資
最近、注目を集めているのがポイント投資です。 現金を減らすことなく、クレジットカードなどのポイントを元手に投資ができるので、手軽に始めやすい投資の方法の一つです。
ポイント投資ができる代表的な証券会社をご紹介します。
証券会社名 | サービス名 | 手数料 |
---|---|---|
SBI証券 | Tポイント | 投資信託の購入が可能 |
SBIネオモバイル証券 | Tポイント | 株式の購入が可能 |
楽天証券 | 楽天スーパーポイント | 株式の購入が可能 投資信託の購入、積立が可能 |
松井証券 | 松井証券ポイント | 投資信託の積立が可能 |
ポイント投資の取引方法にはおもに2パターンあります。
- ポイントを現金化して取り引きする方法
- ポイントをポイントのままで取り引きする方法
「現金化」をするかしないかが重要なのですが、現金化する場合は、取り引きをして利益が出ると現金で引き出せます。
現金化を採用しているのは…
SBI証券・LINE証券・楽天証券など
現金化しない場合は、取引後にポイントとして付与されるので現金を引き出すことはできません。
ポイントでの運用を採用しているのは…
NTTドコモのポイント投資サービスなど
ほとんどの証券会社では、現金化して取り引きする方法を採用していますが、取引前に確認しておいた方が良いでしょう。
ふだんの買い物などで自然に貯まったポイントを使えるのがこの投資のよい点ですが、ポイントを貯めるために不必要な買い物をしてしまうことのないように注意しましょう。
スマホでも株の少額取引ができる
ここまで、少額で株取引する方法をいくつか見てきました。
ネット証券は手数料が安く単元未満株の売買もできるなど、少額で投資を始めるのにピッタリですが、実はさらに少額取引に特化した証券会社があるのです。
それが、スマートフォンでの取り引きに特化してつくられた、いわゆるスマホ証券です。
スマホ証券は、単元未満株の取り引きを主軸に扱っているという点が特徴で、取引手数料が低価格に設定されていることもあり、若者や投資初心者を中心に人気を集めています。
代表的なスマホ証券と、それぞれの特徴について紹介します。
One Tap BUY
スマホ証券の先駆けで、銘柄選択から購入まで短時間(3タップ)でスムーズに取り引きすることが可能です。
購入できる銘柄数は日本株が約130銘柄、米国株が67銘柄(2019年11月時点)と限られていますが、1,000円から有名企業の株式を購入できます。
取引手数料は、日本株・米国株ともに基準価格の0.5%(取引時間により国内株式は1.0%、海外株式は0.7%)で、低価格に設定されています。
独自のサービスとしては「つみたてロボ貯蓄」や「積み株」などの投資信託や、「誰でもIPO」など、少額で始められるものがそろっているので、少しずつ取り引きの幅を広げていくことができます。
SBIネオモバイル証券
もっとも特徴的なのは、Tポイントで株式を購入することが可能という点ですが、ネット証券初の月額制の取引手数料を始めた証券会社でもあります。
月50万円までなら、回数は無制限で取引手数料が220円(税込)と低価格です。
さらに期間限定で1ポイント1円で使えるTポイントが毎月200ポイント付与されるので、相殺すると実質の月額は20円という計算になります。スマホ証券の中でもかなりの安さといえます。
また「WealthNavi(ウェルスナビ)for ネオモバ」という1万円から始められるロボアドバイザーや、「ひとかぶIPO」といった少額取引に特化したサービスが充実しています。
自分で運用していくのが不安だという人は、少額からロボアドバイザーで積み立ててみるのもいいかもしれません。
LINE証券
LINE証券は、野村ホールディングスとLINE Financialの合弁会社です。
今や多くの人がコミュニケーションツールとして使っている、「LINE」のアプリ上で、シンプルな画面で取り引きできることが大きな特徴です。
また、取引時間にも魅力的な点があります。
通常の取引時間は、証券取引所が開いている9~15時ですが、
LINE証券では日中取引:9:00~11:20、11:30~12:20、12:30~14:50
夜間取引:17:00~21:00(※国内の三連休以上の休日が有る場合は、連休前日の夜間取引は、受注を停止/夜間取引において、ETFは取扱対象外)で取引可能です。
仕事帰りでもリアルタイムで取り引きができるのは大きな魅力です。
One Tap BUYやSBIネオモバイル証券と比較すると取扱商品は少ないですが、21時まで取り引きができるのはLINE証券だけのサービスです。
商品を国内株に限定し、取引所が閉まってからも値動きを見ながらタイムリーな取り引きを希望する方は、LINE証券からスタートしてみてはいかがでしょうか。
取引手数料は無料、スプレッドコストが日中取引0.05%、夜間取引0.5%に設定されていて、非常に低価格です。
(11:20~11:30、12:20~12:30を除く)
どんな取り引きがしたいか、どのサービスを利用したいかを考えて、自分に合ったアプリやツールを探してみてください。
証券口座を複数開設して、場合によって使い分けたり、それぞれの独自サービスを試してみたりするのもいいですよ。