目次
株を選ぶための方法とは?
株を選ぶときにどのように選べばよいのでしょうか。
選び方は大きく3つに分けられます。
- 身近な業界の株を選ぶ
- 長期保有のための株を選ぶ
- 銘柄の情報を分析して選ぶ
一番とっつきやすいのは「身近な業界から選ぶ」です。これはふだんから自分になじみがある企業の株を選ぶ方法です。
まずは株式投資を一歩でも始めてみたい、数字などは苦手、自分の感性に自信があるという方は試してみましょう。
次に「長期保有するために選ぶ」という方法です。株式投資は保有したい期間によって選ぶべき銘柄が変わってきます。
株価の値上がりではなく配当や株主優待が欲しい方などに向いている方法です。
最後に「銘柄の情報を分析して選ぶ」ですが、これは購入する株の企業をしっかり分析し、業績を見極めたうえで購入する方法です。
値上がり益で利益を狙いたい人、数字やニュースを分析するのが苦ではない人、株式投資にある程度の時間と労力をかける心積もりがある人などが向いています。
それぞれの選び方について、順番に見ていきましょう。
1. 身近な業界の株を選ぶ
「身近な業界の株を選ぶ」方法の良いところは、例えば自分の仕事と同じ業界の企業や、ふだんからよく使っている商品を扱っている企業の株であれば、難しい決算書などを読まなくてもその企業が好調かどうか予測することができる点です。
具体的に注目すべき点を説明していきます。
自分が使っている商品やサービスに注目する
自分がよく知っている分野の株を買うと、思いがけず大きな利益を得られる場合があります。
例えば、あなたの趣味がアウトドアだとします。
安くて機能的なウェアを出すブランドを友人に紹介され、自分でも使ってみたところとても良いと感じました。
「これは流行りそうだ!」と思い株を買ったところ、しばらくしてニュースに取り上げられたりテレビCMが始まったりし、一気に人気に火がつき株価も急上昇しました。
これはワークマン(7564)という銘柄で実際に起こりえたことです。
▲ワークマン(7564)の5年間の株価推移(出典:Yahoo!ファイナンス)
ワークマンの株価は、上場以来横ばいで推移していましたが、あるときを境に上昇を続けていることがわかります。
話題になり始めた2018年頃に購入していれば2~3倍になっています。
自分に身近な業界や、趣味に関わる業界の情報は耳に入ってきやすいので、判断がしやすくなるでしょう。
新しい商品やサービスに注目する
上記と同様に、いつも使っているメーカーや企業で、新しい商品やサービスが発売されるときもチャンスです。
特に、欲しい機能が初めてついたものや、開発が難しく他社がすぐにはマネできないものなどが発売されるときは株価が大きく上がる可能性があります。
新商品や新サービスは、これまで株を買ってきた投資家たちの投資の結果ともいえます。
株を買うことによって新しい商品やサービスが生まれるというのは、投資の喜びの一つでもありますね。
大きなイベントや世の中の問題に注目する
大きなイベントや世の中の問題に注目してみるというのもよいでしょう。
例えば2019年は「キャッシュレス決済」が大きく話題となりました。
PayPayやLINE、楽天ペイなど仕組みを提供する企業の「本命銘柄」と呼ばれる名柄はもちろんですが、「関連銘柄」と呼ばれるそれら本命銘柄と関連する銘柄も見逃せません。
例えばPayPayは消費者還元を大きく展開しましたが、それによってその対象店となったビックカメラ(3048)などの株価も上がりました。
▲ビックカメラ(3048)の6ヶ月間の株価推移(出典:Yahoo!ファイナンス)
出来事に直接関係がある銘柄だけではなく、連想ゲームのようにそこから派生する銘柄にも目を向けられるといいでしょう。
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2. 長期保有のための株を選ぶ
次に「長期保有のための株」の選び方についてご説明します。
株主優待、配当という2つのポイントに目を向けて選んでいきましょう。
株主優待に注目する
株をもっていることでもらえる株主優待という制度があります。
株主優待がもらえる銘柄はたくさんありますが、まずはシンプルに欲しい優待品で選んでみるといいでしょう。
例えばディズニーランド・シーの入場無料券がもらえるオリエンタルランド(4661)は常に人気のある銘柄ですし、旅行が好きな人であれば飛行機の割引券がもらえるANAホールディングス(9202)もいいでしょう。
▲オリエンタルランド(4661)の5年間の株価推移(出典:Yahoo!ファイナンス)
優待品の人気が高いということは欲しい人が多い銘柄ということでもあり、株価が落ちにくいと予測されます。
配当に注目する
株を保有していると、保有している1株につき配当というお金がもらえます。
もらえる金額は購入する株によって異なるので、比較する際は「配当利回り」という率を計算します。
配当利回り(%)=1株あたりの年間配当金額÷1株購入金額×100
上場企業の平均利回りは約1.85%ですが、多いところは4%近くもらえるところもあります。
ただし、利回りがいいからといってまったく知らない企業の株を買うのは避けるべきです。
知らない企業の場合、「業績が悪化しそう」「あまり良くないニュースが出る」といった、株価に影響がありそうなシグナルに気づきにくいのです。
利回りにつられることなく、自分が知っている企業や分野の銘柄の中から選びましょう。
著名な投資家の1人にウォーレン・バフェットという人がいます。
彼の投資哲学の中に「自分の資金と理解が及ぶ範囲で投資する」というものがあります。
投資で大成功した人でさえこの鉄則を守っているのですから、この考え方は基本中の基本であるといえるでしょう。
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3. 銘柄の情報を分析して株を選ぶ
最後に「銘柄の情報を分析して株を選ぶ」方法についてご紹介します。
大きな利益を狙うには、今後大きく成長しそうな「成長株」や企業の価値のわりに安い「割安株」を見つけられるかがポイントです。
ニュースや四季報の情報に注目する
ニュースや四季報には成長株や割安株を見つけるヒントが隠されています。
例えば2019年に株価が10倍以上になったレアジョブ(6096)は語学ビジネス市場の拡大を受けて株価が急上昇しました。
語学ビジネス市場の拡大は企業のグローバル化、訪日外国人の増加などの日々のニュースから連想できる事柄です。
▲レアジョブ(6096)の1年間の株価推移(出典:Yahoo!ファイナンス)
四季報は、専門家が企業について業績だけでなく将来の展望についても取材し、予測を書いています。
四季報をじっくり読むだけでも成長株を見つけることができます。
企業の決算資料に注目する
上場企業は、決算時に必ず決算書を提出することが義務付けられています。
業績が良い場合は良かった原因、悪い場合は悪かった原因も書かれているので、気になる企業の決算資料を読み続けていればどんな要因が業績に影響するのかがおのずとわかってきます。
とはいえ、全部の企業の決算資料を確認することはほぼ不可能なので、実際に購入を検討している銘柄があるときに確認するといいでしょう。
スクリーニングツールを使ってみる
株取引のための口座開設をすると、多くの場合その証券会社独自の株取引のツールを使えるようになります。
このツールの中に「スクリーニング」と呼ばれる、自分が求める条件を入力すると該当する銘柄を自動的に選んでくれる便利な機能があります。
例えば、配当利回りや売り上げ平均、利益率からも株を選ぶことができます。
どんな銘柄を買うか検討する際に、どれを詳しく調べるか当たりをつけるために使うといいでしょう。