目次
IPO投資で証券会社を選ぶための基礎知識
IPOの基本ルール
IPOは通常の株式と違って、欲しい銘柄を自由に購入することはできません。どの証券会社であっても、抽選によって購入者が決定されます。
証券会社によってはIPOの抽選申し込みの時点で購入資金が口座にない場合、申し込みが制限されることもあります。
IPOの主幹事と幹事とは
企業が新規上場する際、上場に関して企業を支援する証券会社を「幹事証券会社」と呼びます。一般的には、7社程度の証券会社が幹事証券会社となり、上場作業を行います。
幹事証券会社の中でも、特に中心的な役割を担う証券会社を「主幹事証券会社」といいます。主幹事証券会社は上場予定の企業のさまざまな申請手続きのサポートをする代わりに、多くのIPO株の割り当てを受けることができます。
場合によっては、その他の幹事証券会社に比べて100倍以上のIPO株の割り当てとなることもあるため、IPO銘柄の獲得を狙うのであれば、主幹事証券会社を利用するのとよいでしょう。
証券会社を選択するときのポイント
IPOの取扱数が多い口座を開設する
IPOを購入したいのであれば、より購入できる可能性が高い証券会社を選びましょう。 そのためには複数の証券会社を比較して、IPOの取引実績や主幹事実績数が多い証券会社を選びましょう。
ただ、単純に取扱数が多い会社=当選確率が高い証券会社というわけではありません。 当選しやすいかどうかは、抽選の方法も関わってきます。
各社の抽選方法をチェック
抽選方法は証券会社によって異なります。ここではよくある抽選方法についてご紹介します。
- 完全平等抽選
- ポイント制抽選
- ステージ制抽選
- 資金量抽選
- 完全平等抽選
- 完全平等抽選は特定の投資家に対する優遇がいっさいありません。抽選によって購入できるかが決定されます。誰にでも平等にチャンスが与えられる制度です。
- ポイント制抽選
- 取引によってポイントが加算されていきます。そのポイントを利用することで当選しやすくなる制度です。
- ステージ制抽選
- 毎月の取引手数料の額などによって投資家がステージ分けされます。ステージが高いほど当選確率が上がる制度です。
- 資金量抽選
- 証券会社の口座にプールしている金額によって、当選確率が上がる制度です。
証券口座3選
証券会社 | 2018年 主幹事数 |
2018年 取扱数 |
特色 |
---|---|---|---|
SBI証券 | 11社 | 86社 | ネット証券としては主幹事実績数・取扱銘柄数の多さが豊富 |
SMBC日興証券 (オンライントレード) |
20社 | 66社 | 取扱銘柄数が多い大手証券会社ながらネット取引ができて便利 |
auカブコム証券 | 0社 | 23社 | グループ会社が主幹事を務める場合は当選確率が上がる |
ネット証券で主幹事実績が豊富なSBI証券
主幹事数が多いネット証券会社はSBI証券です。おもな特色は次のとおりです。
- 大手証券会社に引けを取らない取扱銘柄数
- 主幹事数もネット証券会社の中ではトップクラス
- 申し込み単元が増えるほど当選確率の上がる「IPOチャレンジポイント」
SBI証券は、ネット証券会社の中では豊富な銘柄数を取り扱っています。SBI証券の口座だけでほとんどのIPO銘柄に抽選申し込みをすることができます。
抽選に外れると付与されるIPOチャレンジポイントという制度があります。貯まったポイントで抽選をすることができるため、誰でもメリットを得ることができます。
IPO取扱数の多いSMBC日興証券
次にSMBC日興証券(オンライントレード)です。おもな特色は次のとおりです。
- 主幹事数が多い
- 10%の抽選は資金量に関係なく平等
- 平等抽選で当選しなかった場合、最大5%のステージ別抽選
SMBC日興証券は2018年の主幹事数20社で、取扱銘柄数は66社と非常に多くの銘柄を取り扱っています。
抽選に配分されているのは取扱数全体の10%+5%ですが、10%の抽選は資金量に関係なく平等に、平等抽選で当選しなかった場合には最大5%、ステージごとに割り当てられた票数で抽選が行われます。
グループ会社が主幹事になると当選確率が上がるauカブコム証券
次はauカブコム証券です。auカブコム証券のおもな特色は以下のとおりです。
- グループ会社が主幹事になると当選しやすい
- 資金量が少なくても不利にならない
auカブコム証券自体の2018年の主幹事数は0ですが、取り扱っている銘柄数はネット証券の中では多い方です。
これは、auカブコム証券のグループ会社である大手証券会社「三菱UFJモルガン・スタンレー証券」が幹事になった場合の数も含まれるからです。
大手証券会社に比べて手数料が安く、複数申し込みをしてもしなくても当選確率が変わらないため、資金が少ない投資家向きです。
おもなネット証券会社のIPO情報比較
証券会社 | 2018年 | 2017年 | 特色 | ||
---|---|---|---|---|---|
主幹事数 | 取扱数 | 主幹事数 | 取扱数 | ||
SBI証券 | 11社 | 86社 | 8社 | 83社 | 主幹事数・取扱数が豊富 |
SMBC日興証券 (オンライントレード) |
20社 | 66社 | 11社 | 71社 | 主幹事数が多く当選のチャンスが多い |
auカブコム証券 | 0社 | 23社 | 0社 | 27社 | グループ会社が主幹事の場合は当選確率が上がる |
松井証券 | 0社 | 9社 | 0社 | 14社 | 抽選が資金量に関係なく平等 |
岡三オンライン証券 | 0社 | 47社 | 0社 | 23社 | 岡三証券が主幹事の場合は当選確率が上がる |
楽天証券 | 0社 | 11社 | 0社 | 7社 | 資金量によって当選確率が変動する |
マネックス証券 | 0社 | 50社 | 1社 | 49社 | 主幹事は少ないものの抽選が平等 |
複数口座の開設で当選率アップを狙う!
1つの口座である必要はない
IPOを狙う場合、複数のネット証券会社の口座を開設するのがよいでしょう。 大手証券会社の場合は口座管理手数料などがかかってしまいますが、ネット証券会社ならその心配は不要です。 IPOの申し込みは1人につき1社の証券会社のみというルールはありません。複数の証券会社からIPO銘柄を狙うことで、チャンスを拡大できます。
証券会社の組み合わせ
ネット証券会社で複数の口座を開設する場合は、取扱銘柄数と主幹事実績数の多いSBI証券は口座を開設したい証券会社です。 さらに取扱数の多いマネックス証券の口座を開設することで、IPO銘柄に関してはほぼ網羅できるでしょう。 他に、楽天証券では口座にプールしている資金量によって当選確率が変動します。多めに資金を投入しておけば、思わぬチャンスが舞い込む可能性もあります。